2012 Fiscal Year Research-status Report
屋内環境における無拘束生体情報センシング・システムの開発
Project/Area Number |
23760372
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗原 陽介 成蹊大学, 理工学部, 助教 (50552600)
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Keywords | 生体信号計測 / 脈波 / 呼吸 / 無拘束計測 / 掻破 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、在宅環境において、無拘束で生体情報を計測するための感度が高いセンシング・デバイスの開発を行うとともに、計測した生体情報から得られる健康管理に有益な新たな情報の検討と、その検出アルゴリズムの開発である。 24年度においては、23年度に開発したベッド上で横になっているヒトの体動、掻破を無拘束に計測できるセンシング・デバイスの高感度化を行った。このセンサデバイスは金属板で挟んだ圧電セラミックをベンドさせたものをベッドの脚の下に4個所設置することで、ベッドの上で横になるヒトの生体情報を計測するものである。センシング・デバイスに使用する圧電セラミックのサイズ、厚さ、および圧電セラミックを挟み込むための金属板の素材、厚さなどを実験を繰り返しながら選定することで、センシング・デバイスの高感度化を行った。 さらに医療現場でアトピー性皮膚炎の患者などの痒みの評価を行う際に指標となるTotal Scratching Timeを自動的に検出するアルゴリズムの構築に23年度に引き続き取り組んだ。センシング・デバイスの高感度化により、掻破に伴う振動を無拘束にも関わらず高いSN比で計測することが可能となった。従来、カメラで撮影された動画像から医師が目視でTSTを求めていたのに対して、この高いSN比で計測した信号を用いることで、Total Scratching Timeを高精度に自動的に求めることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に対して、24年度の研究計画としては、23年度の成果を踏まえ、センシング・デバイスの高感度化および、健康管理に必要な生体情報検出アルゴリズムのソフト開発が計画されていた。 24年度においては、計画通りに実証実験を繰り返しながら、センシング・デバイスに用いられている圧電セラミックのサイズ、厚さや、金属板の素材、厚さの最適化を行うことで、本センシング・デバイスの高感度化を行った。 さらに、健康管理に必要な生体情報として、24年度はアトピーなどの患者における掻破を対象とし、センシング・デバイスの高感度化にともない高いSN比で計測された掻破信号から、痒みの評価を行う際に指標となるTotal Scratching Timeを自動的に検出できるアルゴリズムの開発が計画通りに行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度においては、23年度、24年度の成果を踏まえ、センシング・デバイスの改良を行うとともに、デバイスとしての仕様を確定する。また、24年度に引き続き健康管理に必要な生体情報検出アルゴリズムのソフト開発を行う。さらに、研究成果を論文や国内外の会議において随時発表するとともに、25年度は、本研究課題における最終年度であるため、今後に向けての新たなる展開の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
センシング・デバイスの改良のための消耗品として10万円、センシング・デバイスの実証実験、データの解析、ソフトウェア開発などの実施にたいする謝金として20万円、研究成果を発表するための会議への出張旅費として30万円計上する。
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