Project/Area Number |
23760374
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
横井 直倫 旭川工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60353223)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 計測工学 / 血流計測 / 皮膚診断 / 遠隔医療 / 画像処理 |
Research Abstract |
平成23年度は, 皮膚ヘルスモニタリングシステムの基本となる部分を構築した. 具体的には, 2波長のスペックル画像を同時に撮影できる測定光学系の構築, スペックル画像の空間統計解析による実時間の血流速分布可視化のためのソフトの開発, 2波長分のスペックル画像を利用した分光計測による酸化・還元ヘモグロビン濃度変化可視化のためのソフトの開発, の3点を実施した. 以下に, 各々の詳細を述べる. まず, 新設の波長780nmおよび830nmの半導体レーザーを光源とし, これらを皮膚に照射したときに発生する2波長のスペックルを結像系と色フィルタを介して新設のハイスピードカメラ2台で波長ごとに画像検出し, ローカルコンピュータに転送して画像処理を行える測定光学系を既設の光学実験台上に2式構築した. 次に, ハイスピードカメラで撮影した連続するスペックル画像の輝度値の空間差分に基づく血流評価値により, 撮影条件に影響されずに, 血流速分布を実時間で画像表示できるソフトを既設のアプリケーション開発ツールMATLABを用いて開発した. その上で, 皮膚アレルギー等疾患部を対象に血流速分布計測実験を実施し, 本ソフトの有効性を確認した. さらに, ハイスピードカメラで撮影した2波長分のスペックル画像の同一画素における輝度値に対し, 生体組織中の吸収成分を酸化・還元ヘモグロビンと仮定して修正ランバート・ベール則を適用することで, 酸化・還元ヘモグロビン濃度変化を各画素毎に算出し, その分布を画像として再現できるソフトを既設のアプリケーション開発ツールMATLABを用いて開発した. 以上に詳述した3点の研究成果はいずれも, 平成24年度に実施予定である装置の自動制御化とネットワーク化, 皮膚ヘルスモニタリングシステムの構築, および本システムの性能確認試験のために必要不可欠なものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は, 皮膚ヘルスモニタリングシステムの基本部分の構築のため, (1)測定光学系の構築, (2)血流速分布可視化のためのソフトの開発と基礎実験, (3)酸化・還元ヘモグロビン濃度変化可視化のためのソフトの開発と基礎実験, の3点を遂行したが, いずれもおおむね順調に進展している. 以下にその理由を簡潔に示す. まず, (1)の測定光学系の構築については, 当初の計画通り, 2波長の半導体レーザーを皮膚に同時に照射し, 各々の散乱反射光により形成される2波長のスペックルを結像系と色フィルタを介してハイスピードカメラ2台で波長ごとに画像検出し, ローカルコンピュータに転送して画像処理を行える測定光学系を光学実験台上に2式構築できたことが理由である. 次に, (2)の血流速分布可視化のためのソフトの開発と基礎実験についても, 当初の計画通り, ただ1枚のスペックル画像から血流速分布を定量化し, さらにコントラスト補正を施すことで, 実時間に, しかも撮影条件に影響されない血流情報を取得することができるソフトを開発でき, さらに本ソフトを利用した血流速分布計測の基礎実験によりその有効性を確認できたことが理由である. さらに, (3)の酸化・還元ヘモグロビン濃度可視化のためのソフトの開発と基礎実験についても, 当初の計画通り, 同時撮影した2波長分のスペックル画像の強度を画素毎に計測することで得られる分光反射率分布情報に基づき, 撮影条件の影響を受けずに皮膚疾患部の酸素化状態を忠実に再現可能なソフトを開発でき, さらに本ソフトを利用した酸化・還元ヘモグロビン濃度可視化の基礎実験によりその有効性を確認できたことが理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は, 皮膚ヘルスモニタリングシステムのネットワーク化とデータベースの構築のため, (1)装置の自動制御化とネットワーク化, (2)皮膚ヘルスモニタリングシステムの構築, (3)皮膚ヘルスモニタリングシステムの性能確認試験, の3点を実施する予定である. 以下に, 各々の概要を示す. まず, (1)の装置の自動制御化とネットワーク化については, 新設の2軸可動ステージを平成23年度に構築した2式の測定光学系に組み込み, 皮膚疾患部が広範囲に及ぶ場合にその全体を走査できるようにする予定である. 同時に, 測定光学系の各可動部に位置や角度の微調整を行うためのサーボモータを組み込むことにより, ローカルコンピュータで測定光学系全体の自動制御を行えるようにする予定である. 次に, (2)の皮膚ヘルスモニタリングシステムの構築については, 新設のパーソナルコンピュータをホストコンピュータに設定し, これと2台のローカルコンピュータをLANを介して接続して, 動画データをローカルコンピュータからパーソナルコンピュータに実時間で転送できる環境を構築する予定である. さらに, (3)の皮膚ヘルスモニタリングシステムの性能確認試験については, 皮膚アレルギー等の疾患部を対象として本研究で開発した皮膚ヘルスモニタリングシステムの性能確認試験を実施する予定である. その上で, 性能確認試験の結果を基に必要とされる修正と改善を実施し, 本システムの有効性の評価を行った上で, 本研究を完了する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず, 設備備品費については, 平成24年度は2軸可動ステージ2式の購入を予定しているが, これは皮膚疾患部が広範囲の領域に及ぶ場合にその全体を自動走査することで, 皮膚疾患の全容を把握することを目的としており, 診断の信頼性を高める上で必要不可欠なものである. さらに, パーソナルコンピュータ1式の購入も予定しているが, これは皮膚疾患部の動画撮影から動画データ転送, データ解析, データベース化に到る一連の処理を行う上でやはり必要不可欠である. 以上の根拠に基づいて設備備品費の全額が計上されており, 研究規模, 使用内容, 金額のいずれの面から見ても十分な妥当性を有すると思われる. 次に, 消耗品費については, 平成24年度は本システムの構成のために必要不可欠なレンズ, ビームスプリッター, 色フィルタ等の光学素子, 配線ケーブル等の電気部品, 測定光学系の各可動部への組み込みを目的としたサーボモータ等の機械部品, およびスイッチングハブ, ブロードバンドルータ, LANケーブル等のネットワーク関連部品を中心に計上しており, 十分に妥当な金額と思われる. さらに, 旅費等については, 平成24年度は本研究の成果の外部公表および本研究の遂行に必要な情報の収集を目的とした各種学会への出席のための費用, ならびに本研究で得られた成果を論文として発表するにあたって必要とされる印刷費, 複写費, 学会誌投稿料として計上しており, これも十分に妥当な金額と思われる.
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