2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760377
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菊永 和也 独立行政法人産業技術総合研究所, 生産計測技術研究センター, 研究員 (10581283)
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Keywords | 帯電 / 計測技術 / 音波 / 電界 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では帯電体振動法を用いて非接触で帯電を可視化するために、対象物を非近接で局所的に振動させて、その位置における電界の情報を測定する必要がある。これまでに電界から静電気の情報に変換するための技術を確立してきた。そこで、本年度は、空気中において十分な音圧が得られる集束音波が発生可能な音響システムの開発を行った。 まず、直径1cmの超音波振動子を300個用いて矩形型の超音波振動子アレイを試作し、各超音波振動子の位相を制御するシステムを開発した。空気中で比較的音圧が得られやすい可聴周波数だけでは局所的音波が得られないため、40kHzの超音波と100Hz程度の周波数を組み合わせた変調音波を用いることで、空気中でデバイスから20cm離した位置に約Φ2cm程度の集束度と1mNの音圧を持つ集束音波が発生する音響システムを開発することに成功した。 次にポリイミドフィルム対象として、この音響システムとx-yステージを用いて、集束音波を1点1点動かしながら局所的に振動させたときに発生する電界を測定し、それぞれの位置で測定された電界強度の分布を測定した。そして、この分布の検証を行うために、表面電位センサとx-yステージを用いて1点1点動かしながら走査する表面電位測定法を用いて、空間的な帯電位置と帯電量の関係を比較したところ、その分布が比較的一致した。また、このときに測定された各々の位置における電界の位相を考慮することによって、電荷の正と負の位置関係に相関性を見出した。これより、帯電の二次元分布を可視化する計測システムの開発に成功した。
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Research Products
(9 results)