2012 Fiscal Year Research-status Report
高複屈折FBG-FPIと狭帯域波長掃引による高精度なひずみと温度の同時計測
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23760379
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
和田 篤 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 講師 (40434021)
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Keywords | 光ファイバ / 半導体レーザ / 振動計測 / 温度計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は高い複屈折性を持つファイバ中に、光ファイバグレーティング(FBG) を反射鏡としたファブリ・ペロー干渉計の構造(FBG-FPI) を構成し、これを用いてひずみと温度の同時計測を高精度に行なう事である。光源の波長を狭帯域で高速に掃引する事により、FBG-FPIのもつ急峻な透過ピークを時間光パルスに変換して時間遅延を読み取る事で高精度を実現する。当該年度に行った研究は以下の通りである。 光源として利用する分布帰還型半導体レーザ(DFB-LD)の波長変調における非線形性の特性化と補償に取り組んだ。本研究ではDFB-LDの注入電流を変調することでその発振波長を高速に掃引する予定である。 昨年度、光源の波長変調特性を評価し、波長変化量に周波数依存性がある事を明らかにした。本年度はこれを更に進め、鋸歯状波で注入電流を変調した状況下における瞬時波長を干渉計を用いて計測した。また、この干渉計をセンシングシステムに組込み、波長変化の非線形性を補償するように改善した。 センサヘッドの設計について、チャープ型FBGを用いたファブリ・ペロー干渉計 (CFBG-FPI) を検討した。CFBG-FPI は反射帯域が広く、計測可能範囲を向上する事ができる。偏波保持ファイバではなく、シングルモードファイバ上に形成した CFBG-FPI を用いて静ひずみの計測実験を行ない、計測可能範囲の向上を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度判明した光源波長の非線形についての詳細な検証とその対策の検討に時間を要した。また、問題の要点次第で購入機材の方向性が左右される為、確実な運用できる機材購入の為に機材の購入を停止していた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、複屈折性を利用した温度とひずみの分離計測を実施する。センサ用の高複屈折 CFBG-FPI は偏波面保持ファイバ上にCFBGを2連続で書き込む事で作成する。作成は業者に依頼する。作成した高複屈折 CFBG-FPIの反射スペクトル、ひずみ、温度依存性等、基本特性を計測した後、センシングシステム全体を構成する。 基本動作の確認後、信号をアナログ-デジタル(AD)コンバータで取り込むよう変更し、更に、透過ピークを検出する フーリエ解析を実時間で行なうプログラムを開発することにより、計測の結果出力が実時間で行なえるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費が生じた理由:光源の波長変調における非線形性の問題について、対処方法の検討を行なっており、この結果次第でセンシングシステム全体の設計に変更が生じる可能性が高かった為、最終的に構成するセンシングシステム用の機材購入を見送った。 次年度の研究費の使用計画:半導体レーザシステム一式及び、複屈折CFBG-FPI、波長参照用のガスセル、光ファイバ素子各種、ADコンバータ等を一気に調達し、センシングシステムを構成して性能を評価する。
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