2013 Fiscal Year Annual Research Report
方向依存性に起因する非線形摩擦と重心のずれを考慮した全方向移動ロボットの軌道制御
Project/Area Number |
23760380
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江丸 貴紀 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30440952)
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Keywords | nonlinear friction / trajectory control / nonlinear compensator |
Research Abstract |
本研究は,オムニホイールを用いた全方向移動ロボットマニピュレータで問題となっている,1)オムニホイールの方向依存性に起因する非線形摩擦,2)移動ロボットにマニピュレータを搭載した際の重心のずれ,という大きな二つの課題解決を目的としたものである。この目的を達成するため,以下の4つの課題を設定し研究を行った。 課題1 [オムニホイールの非線形摩擦のモデル化]:本プロジェクトでは,非線形摩擦の影響がより大きくなり低速度領域に着目し,オムニホイール移動ロボットが低速で移動する際の摩擦について機構面から解析を行いモデル化した。オムニホイールは,その機構によって特に低速度領域で大きな,そして強い非線形特性を持つことが知られている。そこで,低速度領域にターゲットを絞りモデル化を行うことで,実際のオムニホイールロボットの挙動を精度よくモデル化することに成功した。 課題2 [オムニホイールの非線形摩擦に対してロバストな軌道制御系の提案]:既存のPID制御系と容易に組み合わせることができる非線形補償器について,(1)理論面から解析を行い,既存の制御系との関係を明らかにした,(2)新たなアプリケーションとして柔軟ロボットアームに提案手法を適用することにより,手法の汎用性を確認するとともに問題点を明らかにする,ということを行った。 課題3 [重心のずれのモデル化]:全方向移動ロボットにペイロードを搭載することにより生じる重心のずれをモデル化し,そのダイナミクスを明らかにした。 課題4 [重心のずれに対してロバストな軌道制御系の提案]:強い非線形時変特性を持つ重心のずれに対して,課題2で提案した制御法をまず適用し,それを発展させることにより効率的な研究の推進を図る。このように様々な非線形モデルに対し提案する制御法を適用することにより,汎用的・実用的な非線形補償器を構成するための知見を得た。
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Research Products
(24 results)