2012 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な足裏の変形から生み出される感覚運動協調に基づく動歩行制御
Project/Area Number |
23760381
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大脇 大 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40551908)
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Keywords | 柔軟足 / 動歩行制御 / 感覚運動協調 |
Research Abstract |
本研究の目的は,柔軟な足裏の変形から生み出される良質な感覚運動情報を活用することで,脳・神経系,身体および環境から構成される直積空間内に広大な引き込み領域を有する安定なリミットサイクルを生起し,実環境下においてリアルタイムで適応可能な歩行運動を発現させることにある.本年度においては, H23年度に開発した2足歩行ロボットおよび歩行制御則をプラットフォームとし,ヒトの骨格構造を模擬した足部の開発に中心に研究を行った. 足部構造に2関節を有し各関節に弾性要素を実装した足部を開発し,関節可動による柔軟性を実現した.また,足裏には人肌ゲルと呼ばれるウレタン樹脂を実装することで,ヒトの皮膚構造を模擬した柔軟性を実現した.足裏に圧力センサを埋め込むことによって,足裏の皮膚変形から生み出される感覚情報を獲得する機構を開発した. 実機実験の結果,継続かつ定常的な歩行が実現できた.また,歩行速度の変化に対しても柔軟に歩行運動を適応可能であることを示した.さらに興味深いことに,柔軟な足部機構を有するロボットにおいて,歩行中の外乱に対する頑健性が大きく向上する結果が得られた.この結果は,柔軟な足部を用いることで,歩行運動中の地面との力学的相互作用を反映した感覚情報が獲得され,さらにその感覚情報を歩行リズム制御器へとフィードバックすることで,感覚運動協調を生起し,より安定なリミットサイクルを構成できたことを示唆する結果である.さらに,理論的な観点から考察を行った結果,適応的な歩行を実現する力学構造として,周期的な振動性と非周期的な興奮性の特性を,状況依存的に遷移する適応的構造が背後に存在することが明らかとなった. これらの成果として,国内会議3件,国際会議4件(招待講演1件)の発表を行った.さらに,これまでの成果をまとめた学術論文を投稿予定である.
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Research Products
(8 results)