2011 Fiscal Year Research-status Report
厳密な入出力ゲイン解析による切り換えシステムの解析と制御系設計に関する研究
Project/Area Number |
23760386
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
平田 研二 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40314364)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハイブリッドシステム / 切り換えシステム / 入出力ゲイン |
Research Abstract |
連続, 離散特性の混在するハイブリッドダイナミカルシステムは, 理論面および広範な応用面を有する実用面の双方から大きく注目されている. 切り換えシステムは, ハイブリッドダイナミカルシステムを表現する代表的な数理モデルとなっている. また, ダイナミカルシステムの入出力ゲインは, システム制御理論を展開する上でのもっとも重要な数学的ツールの一つとなっている. 本研究では, 厳密な入出力ゲインの評価を軸に切り換えシステムの解析および制御系設計に関する理論展開をおこなう.不連続な特性を積極的に導入し, 標準的な連続な特性をもつコントローラでは実現が困難な特性を有する制御系の設計法を提案した. スイッチングコントローラを利用した制御系の安定化問題では, 制御系に存在する信号の大きさに関する物理的な制限をみたしたうえでの制御系の動作を可能とすることができる. ここでは, 状態空間に構成される集合の不変性を利用し, スイッチングコントローラを構成する個々のコントローラの系列を設計すると共に, 具体的なコントローラの切り換え則を導出することが可能となっている. また, 特定の不変集合の内部に状態変数が留まる滞留時間に注目し, 制御系の性能を規定する評価関数の値を計算することが可能となっている. また不連続な特性を有する制御系の設計法を, 複数の画像情報から被写体の位置, 姿勢を推定するオブザーバの設計問題, センサーネットワークを構成する個々のセンサーの起動, 停止制御則設計問題に展開することもできている. これら新たな制御系設計法のさらなる展開ならびに制御系の性能評価法を検討することなどが継続した課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不連続な特性を積極的に導入し, 標準的な連続な特性をもつコントローラでは実現が困難な特性を有する制御系の設計法を提案することができている. 効率的な設計を可能とする CAD 環境の充実や性能解析問題への展開が今後の課題となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
センサーネットワークを構成する個々のセンサーの起動, 停止制御則設計問題を提案した. しかしながら, より実用的なセンサーネットワークの運用には, 通信機能の起動, 停止がセンシング機能によりえられる情報の伝達に影響を与える. これらを含めたより一般的な問題設定のもとでの展開などを進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額 10,021 円については, 物品費の一部として計上する.
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