2011 Fiscal Year Research-status Report
状態依存むだ時間系のファジィモデリングに基づく解析と制御系設計
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23760397
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 健一 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (70553600)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 状態依存むだ時間系 / ファジィモデリング / 解析 / 設計 |
Research Abstract |
入出力間にある種のタイムラグを有する物理系として状態依存むだ時間系がある.ネットワークの輻輳制御問題や生物学における個体数変動モデル,経済学における市場価格変動モデルや材料学における結晶成長過程モデルなどは状態依存むだ時間系として記述できる典型的な例であり,その物理系の解析や制御のための方策方法の検討が求められている. 本研究では,これに対して有効な解析法および制御系の設計法を開発することを目的として,今年度はその解析のための近似モデリングと数値解析手法について考察した. 具体的には,従来得られた状態依存むだ時間系の近似モデルである離散時間の非線形状態方程式をファジィモデルとして再考し,その安定性解析を線形行列不等式に基づく共通リアプノフ関数の探索問題に帰着させた.いくつかの数値例を用いて,その有効性を検証した.しかし,従来研究との比較等はまだ行なっておらず,学会等で発表する段階には至っていない.このため今後は,研究を加速させ,内容をまとめ公表していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校の公務に多くの時間を割かれてしまったことが主な理由として挙げられる.とりわけ高専機構初の試みとなった「教員インターンシップ」では,学校が夏休みとなる1.5ヶ月もの間,学校から遙か遠方の民間企業にて泊まりこみで(研究とは全く関係のない)研修を受けねばならなかった.研究はおろか,夏休み明けの授業準備等も落ち着いて出来なかったため,平成23年度は実質,前半半年間および年度末程度しか研究が出来ていない.これまでの研究内容の再考および解析方法の簡単な検討程度しかできていないため,「やや遅れている」を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,「次年度使用額」が0円でないのは,上記理由にも書いたとおり,「教員インターンシップ」という当初予定していなかった業務命令にて,1.5ヶ月もの間,民間企業にて研修を受けねばならなくなり,学会等への参加を見送ったためである.この予算は,余力資金として,予定している学会以外への参加費等に使用したい. 今後の方策については,基本的には申請書通り,アドバンスドファジィ制御理論の観点からその制御系設計についての考察と数値例に基づいた有効性の検証を行う予定である.解析時と同様,その制御系設計問題は線形行列不等式に基づく共通リアプノフ関数の探索問題へと帰着させることができると考えられる.得られた研究成果を早急にまとめ,学会や関係諸氏に提示しコメントをもらいたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は,主に研究のための物品購入費として使用した.平成24年度は研究調査のための旅費および文献調査費として積極的に使用したいと考えている.とりわけ,状態依存むだ時間系は特殊な系であり,先行研究も少ないため,国際学会等での調査や海外の論文誌調査などが必要と思われる.国内外含め,主として研究調査費として使用する計画である.
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