2012 Fiscal Year Research-status Report
組織の物質移動抵抗性と化学抵抗性を考慮したフライアッシュ系硬化体の耐久性能評価
Project/Area Number |
23760403
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
李 春鶴 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80431724)
|
Keywords | 酸素拡散係数 / 塩化物イオン / 遮塩性 / 炭酸化 / 細孔構造 / 組成 / フライアッシュ / 耐久性能 |
Research Abstract |
本研究は、フライアッシュを用いたセメント系硬化体の炭酸化および塩害の劣化因子としての気体・液状水・塩化物イオンの移動特性、生成物の変化に伴う移動抵抗性の変化と組成成分の炭酸化反応抵抗性および塩化物イオンの固定・分解能力を統合的に考慮し、そのメカニズムの解明をすることで、フライアッシュ系硬化体の耐久性能を定量的に評価することを目的とする。 本年度の研究においては、中長期材齢においての、フライアッシュを用いた硬化体の炭酸化試験、塩化物イオンの拡散・移動試験を行い、組成物の変化を精緻に計測・分析することにより化学抵抗性を把握し、細孔構造の変化を計測分析することによる物質移動抵抗性を明らかにした。 その結果、フライアッシュを置換することで、十分な養生を施すと、細孔径3.6~10μm範囲の非常に小さな細孔量が増えており、緻密な細孔構造になっていることが確認できた。また、中性化において、中性化促進環境では養生条件により、フライアッシュを置換することで、中性化進展が異なることが明らかになった。中長期材齢の普通環境で暴露した供試体と同じ程度の炭酸カルシウム生成量の促進環境の供試体の酸素拡散係数は、顕著なさがあり、促進環境においては、フライアッシュの性能を過小評価することが確認できた。また、フライアッシュを置換することで、供試体の遮塩性は増加したが、炭酸化の進行により、遮塩性は顕著に低下することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに、実験・分析・考察を行った。結果は、即時学会らで発表しておる。最終年度のまとめに向けての準備も整えている。したがって、概ね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定通り、長期材齢の実験を行い、現在までの結果と照らし合わせて検討を行う。 研究推進については、購入した装置を活用するともに、予定とおりの実験方法を適用する予定である。1,2年の成果および経験を生かす方針もある。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費は80万円であるが、物品購入費を30万、旅費を40万、人件費・謝金を5万、その他を5万円予定している。1,2年時より、旅費の比重が大きくなっているが、これは、これまでの成果を積極的に纏めて発信するためである。
|
Research Products
(2 results)