2012 Fiscal Year Annual Research Report
弾性波法を適用したコンクリート付着界面の損傷度評価手法の開発
Project/Area Number |
23760408
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大野 健太郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (80571918)
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Keywords | 弾性波トモグラフィ法 / 弾性波速度 / アコースティック・エミッション法 / ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
平成23年度は,弾性波法によるコンクリート表層部のひび割れ検出性能について検討した。実験では,小型コンクリート供試体を用いて,センサ特性(共振型,広帯域型)および評価指標(弾性波速度,卓越周波数,最大振幅値)の組み合わせをパラメータとして,鉛筆の芯圧折方法により弾性波を励起した。その結果,コンクリート表層部のひび割れ検出は,共振型センサを用いて,弾性波速度を評価指標とすることで,ひび割れ検出が可能であることが示された。 平成24年度では,これらの結果を踏まえ,供用中の鉄筋コンクリート構造物を対象として,弾性波モニタリングを実施した。実験では,60kHz共振の共振型センサを使用し,弾性波速度を指標として弾性波速度トモグラフィ法を適用した。さらに,アコースティック・エミッション(AE)モニタリングを併用したヘルスモニタリングを実施し,目視不可能なコンクリート中の内部欠陥の位置を推定し,弾性波速度トモグラフィ法の結果と比較することで,弾性波法による欠陥検出性能の妥当性を検証した。 その結果,弾性波の入力方法において,比較的低周波数成分が卓越する入力方法と,比較的高周波成分が卓越する入力方法では,得られる結果が異なり,前者はコンクリート表層部を伝わる表面波を評価対象としたものであり,後者はP波あるいはS波などの実体波を評価対象としたものであることが推察された。また,弾性波トモグラフィ法により得られた結果では,表面波を対象とすることで,目視可能なひび割れの影響を顕著に表す結果を得ることができ,実体波を対象とした場合では,目視不可能なコンクリート内部の内部欠陥の影響を表す結果を得ることが可能であることが示された。また,AE法を併用することで,内部欠陥の存在をより精度よく表現することが可能であることがわかった。
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