2012 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ骨材反応により劣化したコンクリート構造物の診断技術の開発
Project/Area Number |
23760409
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 始 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10553133)
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Keywords | コンクリート / アルカリ骨材反応 / ひずみ測定 / 埋込みセンサ / 拘束ひずみ / 解放ひずみ / 応力解放法 / コア削孔 |
Research Abstract |
コア削孔による応力解放法を用いたコンクリート構造物のアルカリ骨材反応(ASR)による膨張ひずみ量の測定手法の開発を目的に、3つの課題の解決に取り組んだ。課題は、①計測方法の確立、②算定手法の確立、③構造物への適用である。 ①計測方法の確立:膨張コンクリートを用いた拘束供試体を製作し、(a)表面ひずみ計測法と(b)オーバーコアリング法によるコア削孔実験を実施した。(a)表面ひずみ計測法では良好なひずみデータが得られたが、コンクリートの乾燥収縮の影響を受けることやコンクリート内部に比べて解放ひずみが小さくなることが課題となった。(b)オーバーコアリング法ではひずみゲージを接着したエポキシ樹脂の剛性が低いことや計測の作業性が低いことが問題であった。そのため、新たに(c)埋込みセンサ法を開発した。(c)埋込みセンサ法とは長さ30mmの埋込み型ひずみ計を専用の治具で固定し、先行コア内に埋め込んで計測装置として用いる方法である。これにより、内部ひずみを良好に計測することが可能になった。 ②算定手法の確立:課題①で実施した拘束供試体のコア削孔実験をモデル化した3次元応力解析を実施し、内部ひずみ(自由膨張ひずみ)の入力に対して、想定通りの解放ひずみが得られる評価方法を確立した。 ③構造物への適用:鉄筋コンクリート供試体を用いることで、拘束鉄板に代えて鉄筋による拘束実験を行った。鉄筋による支圧力の角度を45度と仮定することで、拘束ひずみと解放ひずみがおおむね一致する結果が得られた。 上記のいずれの実験も、ASR劣化を模擬した膨張コンクリートで実施したが、ASR劣化のためのコンクリートは、反応性骨材を用いた角柱供試体で膨張ひずみの計測を行った。
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Research Products
(2 results)