2013 Fiscal Year Annual Research Report
非線形マルチスケール解析に基づく鋼橋の冗長性最大化設計
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23760416
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊木 功 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40292247)
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Keywords | 鋼構造 / 鋼トラス橋 / 冗長性 / 非線形有限要素解析 / 崩壊メカニズム / 維持管理 / 余耐力 / 設計 |
Research Abstract |
我国における社会的背景から,既設構造物の維持管理の重要性が増しており,構造物,特に鋼トラス橋の冗長性に関する数値解析的な研究が近年報告されている. 鋼トラス橋の崩壊過程や冗長性の解析においては,計算負荷の観点から,格点部を剛結とした骨組要素による弾塑性解析が主流となっている.しかしながら,崩壊メカニズムの解明において,格点部の挙動を再現することが望ましいと考え,本研究では,格点部のみ板要素により詳細にモデル化した数値モデルを用いて,弾塑性有限要素解析を行い,設計では考慮されていない鋼トラス橋のリダンダンシーについて考察した.その結果,格点部を詳細にモデル化することにより,格点部を剛結とした場合と比べて塑性変形に伴う荷重の分配が異なることを明らかにした.また,格点部ガセットプレートの設計の余裕度によって,ガセットプレートの塑性化が他の部材より早く顕著に現れることがあることを示した.さらに,特に部材破断時は格点部付近の上弦材下フランジやガセットプレートの局部座屈が橋梁全体の安全性に与える影響が大きく,局部座屈を防止することにより,冗長性の評価指標の一つであるシステムリザーブ比を数十パーセント程度改善可能であることがわかった. ただし,上記のような非線形解析は計算負荷が非常に高いため,実務設計において行うことは困難である.この場合,全体を骨組モデルで解析し,その内力を格点部のみのモデルに与えるズーミング解析を行うことも多い.本研究では,格点部のみのモデルに与える内力を,従来の骨組モデルと,上記の詳細なモデルの両モデルによって求め,両者の結果を比較した.その結果,両モデルの結果は乖離する場合があることを示した.一方で,詳細なモデルによって求めた内力を用いれば,計算負荷軽減と精度向上の両立がある程度可能になることを示した.
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Research Products
(3 results)