2012 Fiscal Year Annual Research Report
鋼床板に作用する輪荷重に着目した疲労環境モニタリングの研究
Project/Area Number |
23760420
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 啓悟 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40546339)
|
Keywords | 鋼床版 / 疲労損傷 / 軸重 / Bridge Weigh-In-Motion |
Research Abstract |
本研究は鋼床版の縦リブのひずみ応答に着目し,通行車両の軸重を算出する手法を提案した.縦リブのひずみ応答は軸通過位置によって変動しやすく,通過位置によっては誤差が大きくなる.そのため,通過位置の影響が小さい横リブのひずみ応答を用いてBWIM(Bridge Weigh-In-Motion)を行い,精度の高い車両総重量を算出しておき,縦リブから算出した仮軸重の和から得られる仮総重量と横リブから得た総重量の比を取り,その比を仮軸重に掛け合わせて,軸重を補正し,算出値とした. 試験走行車両の速度を時速30km/h~70km/hとして250Hzのサンプリングレートで得たひずみ応答を周波数領域で解析し,検討したところ,横リブで8Hz,縦リブで10Hzのローパスフィタを適用することによって,明瞭な軸通過の特徴を保持したまま,速度の伴う動的な効果を除することが可能となった. 停止時記録軸重が既知である3種類の試験車両を用いて得られた鋼床版ひずみデータに対して,本手法を適用し,その精度を検証した.このひずみデータは18回の走行試験からなり,車両走行速度を車両上速度メーター記録で30km/h~70km/hと試験によって変えたほか,また車両は総重量208kNの3軸車両,310kNの4軸車両,411kNの5軸車両を用いた.総軸通過回数85回に対し誤差が20%を越えたのは1回のみであった.カイ二乗分布を用いて誤差を評価したところ,本手法は95%の信頼区間で誤差標準偏差が5.82%~7.87%となった. 本手法を7日間連続で動的に取得した2車線の実橋梁の鋼床版ひずみデータに適用し,実働荷重下における軸重頻度分布を明らかにした.その結果,法定軸重の100kNを越える軸が1,793回通過し,さらに床版の設計する際に用いるT荷重200kNを越える軸は31回通過し,最大軸重は289kNであったことが判明した.
|
Research Products
(2 results)