2011 Fiscal Year Research-status Report
トライボロジー理論に基づく各種高力ボルト摩擦接合継手のすべり挙動の解明
Project/Area Number |
23760424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 国太郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40467452)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | トライボロジー / 摩擦係数 / 真実接触面積 / 表面粗さパラメータ |
Research Abstract |
2011年度の研究計画として,土木構造物や建築構造物の鋼部材同士を接合するための高力ボルト摩擦接合に使用されている様々な表面状態(ショットブラスト,赤錆,無機ジンクリッチペイント,アルミ容射など)の鋼材の摩擦係数を定量的な評価およびすべり挙動の解明を行うために,小型すべり試験体によるすべり実験を実施する予定であった.2011年度に実施した内容としては,小型のすべり試験用の実験供試体を製作し,ショットブラスト(大まかに2種類の粗さを変化させてブラスト処理を行なった)および赤錆(上述のショットブラスト処理を行なった後のものを腐食させた)を有する表面状態とし,それらの表面粗さパラメータや硬さなどの表面状態の測定および真実接触面積を間接的に測定するために,接触圧力を測定することを試みた.その結果,表面粗さを評価する指標である算術平均粗さパラメータでは,従来の結果通り,表面を粗く処理した実験供試体ほど,算術平均粗さパラメータが大きく,表面を粗く処理していないものほど小さい値となった.また,表面を赤錆状態とすることで,表面粗さが若干大きくなったものの,事前のショットブラストの粗さを変化させた影響はあまり見られなかった.また,接触圧力の測定も実施したが,その評価方法を現在検討中である.2011年度は,表面粗さパラメータを把握したのみですべり試験は行うことができなかった.また,接触圧力による評価や他の表面処理を行なった鋼材の試験も行えなかったため,2012年度にはそれらを実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定器の故障や載荷試験装置の故障が相次ぎ,実験の実施が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
測定器や載荷試験装置の修理は行えたので,今年度は本格的に実験を実施していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が遅れており,その結果,今年度の研究費を繰り越しているが,次年度に予定通り実施していくため,予算に関しては,当初の計画通り執行していく予定である.
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