2012 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー吸収型桁連結装置を適用した橋脚基礎の耐震補強および設計法の開発
Project/Area Number |
23760433
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 賢太郎 摂南大学, 理工学部, 講師 (50529724)
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Keywords | エネルギー吸収型桁連結装置 / 耐震性向上策 / 耐震補強 / 基礎構造 / 非線形時刻歴応答解析 / 制震対策 |
Research Abstract |
都市高架橋を対象にエネルギー吸収型桁連結装置として,鋼製ベローズを用いた場合の効果を検討し,レベル2地震動に対し安定した繰り返し履歴ループを描く鋼製ベローズが有効であることを明らかにしてきている.基礎構造を直接耐震補強するのではなく,比較的補強が容易な上部構造に制震対策を行うことにより,下部構造に伝わる水平地震力を低減できれば,基礎構造に対する直接的な耐震補強が不要もしくは,地震力低減につながり経済的な耐震補強法となりうると考えられる. 本研究では,震度法レベルの地震力で設計された橋脚や橋脚基礎を有する既設橋の耐震補強法として,レベル2地震動に対し有効な鋼製ベローズに加え,レベル1地震動にも有効な鋼製ベローズを組み合せた場合の水平地震力の低減効果を検討する.鋼製ベローズの設置スペースが矮小な際に,レベル2地震用の鋼製ベローズを単独で用いる場合に比べ小型化でき設置スペースの制限についても解決できる可能性も期待できる.鋼製ベローズの諸元は設計式により求め,橋梁全体系解析モデルを用いて,レベル1用鋼製ベローズとレベル2用鋼製ベローズとを併用した数ケースの組み合わせについて非線形時刻歴応答解析を実施し,鋼製ベローズによる下部構造の水平地震力の低減効果を検討した.その結果,レベル1地震動に対して,レベル1用鋼製ベローズのエネルギー吸収効果とレベル2用鋼製ベローズの弾性剛性により,橋脚へ作用する地震力を大きく低減できる.さらに,レベル2地震動の場合も,レベル1用とレベル2用に設計した鋼製ベローズを併用することにより,上部構造や橋台への負担を軽減でき,橋脚に作用する地震力をより低減できる.したがって,鋼製ベローズを桁端部に設置することにより,基礎構造に対する直接的な耐震補強が不要にすることができ,下部構造の耐震性向上策の1つとして用いる可能性を示せた.
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Research Products
(4 results)