2012 Fiscal Year Research-status Report
高有機質土地盤における盛土併用真空圧密工法の最適設計に関する研究
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23760438
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
荻野 俊寛 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80312693)
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Keywords | 真空圧密 / 高有機質土 |
Research Abstract |
本研究は平成23年度に側方変形におよぼす真空圧や盛土の載荷条件の影響について検証するため,三軸試験によるシミュレーション実験を行い,盛土併用真空圧密工法において盛土および真空圧の載荷条件によって側方変形を制御できる可能性をしめした.これを受けて平成24年度はさらに詳細な載荷条件下での室内三軸試験の実施および数値解析による要素試験結果の再現性の検証をおこなった.数値解析では特に応力-ひずみ関係や間隙水圧挙動の再現性に注目した.検討対象とした5種類のモデルのうち,申請者らが提案している有限変形理論に基づいたモデルは他の既存モデルに比べて真空圧あるいは盛土圧を受けた高有機質土の挙動をよく表現しうることを明らかにした.盛土併用真空圧密工法によって改良した地盤全体の変形挙動を予測するといった実際の数値解析事例を念頭においた場合,室内三軸試験による要素試験結果とこれを再現した単一要素の数値解析結果がどの程度一致するかは,マクロなスケールでの数値解析の予測精度を大きく左右するものである.そのため平成24年度に得られた要素レベルでの実験結果と解析結果の一致は非常に大きな意味を持っている.一方で,その後に実施予定のマクロスケールな仮想地盤における数値解析は研究費配分額の減額のため現段階で未着手である.また,平成24年度はその後に予定している模型実験を見据えて載荷装置を作成し,そのための準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三軸試験による要素試験と並行して実施を予定していた数値解析については要素レベルでの解析は実施したものの,仮想地盤に盛土併用真空圧密工法を適用した場合の地盤全体の変形挙動の解析を行うまでには至らなかった.これは研究費配分額減額のため,解析作業を依頼する予定の研究協力者に支払う謝金が工面できなかったことが大きな要因である.また,実験の補助を担当していた大学院生が一身上の都合で退学したことで,実験の実施面でも人手不足となり,わずかに当初予定していた実験結果に届かなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は前年度に実施予定だったが未完了の実験および要素レベルでの数値解析を継続する.H25年度に予定している模型実験および数値解析については予算面での問題をクリアするため他の研究費への応募を予定しているが,予算的な目処がつかない場合,要素レベルでの結果でいったん成果をとりまとめる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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