2013 Fiscal Year Annual Research Report
高有機質土地盤における盛土併用真空圧密工法の最適設計に関する研究
Project/Area Number |
23760438
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
荻野 俊寛 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80312693)
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Keywords | 真空圧密 / 高有機質土 |
Research Abstract |
本研究は平成23年度から平成25年度の3年間にわたって助成を受けた。平成23年度から,盛土を併用した真空圧密工法において側方変形におよぼす真空圧や盛土の載荷条件の影響について検証するため,三軸試験によるシミュレーション実験を実施した。一連の実験結果から,載荷条件をコントロールすることで側方変形を制御しうる可能性を示した。また,高有機質土の変形挙動が顕著な構造異方性を有していることを明らかにした。 平成24年度には代表的な土の構成モデルを用いた単一要素の数値解析を行い,室内試験結果の再現性の検証を行った。検討対象とした5モデルのうち,オリジナルカムクレイモデルが真空圧および盛土荷重を複合的に受けた高有機質土の挙動をもっともよく表現することを示した。一方で,等方型の構成則であるオリジナルカムクレイモデルが異方性を有した高有機質土の変形挙動を再現しうるのは,塑性ポテンシャル曲面がp'軸と直交しないために生じる塑性せん断ひずみによるものであり,見かけ上の再現であることを明らかにした。これらの結果から,盛土を併用した真空圧密工法を数値解析によって予測する場合,高有機質土の異方性を表現できる構成モデルを用いるべきであると結論づけた。 研究の最終年度である平成25年度には,今後の展望も視野に入れ,平成23年度と同様のシミュレーション実験から,強度特性と変形特性の相関性について検討した。その結果,せん断弾性係数は真空圧や盛土荷重の載荷による有効応力の変化を敏感に反映し,非排水強度と強い相関を持っていることを明らかにした。また,これらの研究成果を学術論文誌へ投稿するため,論文としてとりまとめた(現在投稿中)。
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