2011 Fiscal Year Research-status Report
内部浸食による劣化を考慮した既設盛土の耐震性能評価法の提案
Project/Area Number |
23760440
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 章浩 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (40293047)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 内部浸食 / 盛土 / 耐震 |
Research Abstract |
初年度である平成23年度は,浸透流による土の細粒分の流失による土の変形・強度特性の変化をせん断試験により詳細に調べると共に,同現象による盛土の安定性低下についても模型実験により確認した.また,内部浸食により地盤内に形成されたパイプを通じた土中水の移動を考慮した,土水連成動的有限要素解析も実施した。資料に1次元浸透流を与えることにより,細粒分流失を発生させ,これによる強度の低下を実験的に調べた.その結果,0.5を超える動水勾配を2つの粒径の異なる土の混合土に付与することにより,土の強度は,最大70%程度低下することが明らかとなった.加えて,堤防盛土を対象として,細粒分流失による盛土の安定性低下を模型実験により再現し,細粒分流失による有意な盛土の安定性低下を確認した.細粒分流失による強度低下をより詳細に調べることを目的に,三軸試験用給水/排砂水装置を試作した.これを用いて供試体に浸透流を与え,細粒分流失させた上で,三軸試験装置による非排水せん断試験を実施し,細粒分流失による土の変形・強度特性の変化の詳細な計測を始めたところである.また,内部浸食により形成されたパイプを有する谷埋め盛土を対象とした動的遠心模型実験のシミュレーションを有限要素解析にて実施した.その結果,盛土材料の透水係数が小さい場合,パイプの存在による盛土の耐震性低下はそれほど大きくないものの,ある程度透水係数が大きい場合には,有意な差が見られることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三軸試験装置の改造に時間を要したため,細粒分流失による土の変形・強度特性の変化の詳細な計測は完了しなかった.しかしながら,試験自体は順調に進んでおり,研究期間内に,当初の目的は達成できそうである.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね順調に進展しているため,ほぼ当初予定通り,研究を進める予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な設備は整ったため,来年度は,予定通り模型実験に必要なセンサー類を購入する予定である.なお,今年度の執行額に残額が生じたのは,今年度完了予定であった,詳細な計測を伴う実験が完了しなかったためであるが,実験は順調に進んでおり,最終年度には,予定通り研究成果をえることができると考えている.
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