2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラーメ・マックスウェルの平衡条件式に基づく斜面上の応力分配モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
23760441
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
ピパットポンサー ティラポン 東京工業大学, 学術国際情報センター, 准教授 (10401522)
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Keywords | 地盤工学 / 土質力学 / 模型実験 / 応力分配 / アーチ効果 / 荷重分布 / 主応力軸 / 連続体力学 |
Research Abstract |
本年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1. 擁壁:物理模型実験を用いた剛な擁壁の水平移動に伴う背面側に作用する主働側圧の変化に関する一連の研究が行われた。層状に緩く詰めた背面地盤から離れる水平方向に移動した擁壁の変位量がダイヤルゲージで測定すると同時に,その変化に応じた裏込め土の挙動はデジカメを用いた粒子画像流速測定法によって観察された。擁壁の背面側に直角方向に作用する土圧は,壁面に埋設された小型土圧計より求めた。壁面が動いた場合の主働土圧は,アーチ効果に基づく理論式と実験結果と比較し,良好な一致が得られることを示した。 2. 砂谷:緩い平面砂谷下の鉛直圧力分布について,小型土層を用いた模型実験により鉛直応力を測定し,試料の作成方法の違いによる密度,底面の剛性・摩擦の有無が鉛直応力分布に与える影響について示している。また,これらの実験の結果と楕円型方程式系の自己相似解との比較を行うことにより解析解の妥当性を検討し,この評価手法が本実験の条件下における応力分布を過小評価する結論を得ているが,放物型偏微分方程式系の自己相似解との比較結果では,よい傾向が得られた。 3. 斜面:本実験における目的は,斜面法尻掘削によるアーチ形成破壊の幾何学的形状を検討することである。斜面の破壊メカニズムを把握するために,アクリル板の斜面の角度を変えて,法尻部を左右に模型斜面が破壊するまで掘削していき,最後に破壊したときの掘削幅を記録する。また,法尻掘削によるアーチ形状を画像データで詳しく分析するために,ディジタイザーによって読み取られたアーチ形状の座標を近似した結果,アーチ形は弓形で最も精度よく推定できることが分かった。アーチ効果によって生じるアーチ形状を特定することで,ラーメ・マックスウェルの平衡条件式から得られる理論値と比較し,アーチ作用を考慮に入れて結論を出している。
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