2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760463
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有田 守 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80378257)
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Keywords | 離岸流 / ステレオ画像 / 水位変動 |
Research Abstract |
海岸で発生する離岸流は,夏期における海難事故の原因でもあるが,海岸の地形変化に大きく起因する海浜流の1つである.離岸流の発生メカニズムは,発生場所周辺の地形,波浪(波高,周期,波向)の時空間変動が大きく起因していると言われている.本研究では,離岸流発生場周辺の空間的な水位変化に着目して,本研究で提案する気球にカメラ2台を搭載した波面3次元計測装置によって離岸流場周辺の水位空間分布の時間変化と離岸流の流速変化をローカルリモートセンシングによって計測し,空間的水位変動の変化が離岸流の強さに及ぼす影響を考察した. 平成23,24年度には,気球に搭載したカメラ装置を用いて,鳥取県浦富海岸において離岸流場周辺の波浪分布特性の撮影および離岸流場周辺の波浪観測を行った.23年度の実測では気球に搭載したカメラの動作確認と離岸流場周辺の水位の時間平均分布を計測した結果,カメラに関しては気球によるフレームの固定,フレームの湾曲等の問題があり画像解析精度が保証できるような計測ができなかった.離岸流場周辺の水位変動に関しては圧力式波高計の結果より離岸流上で若干水位の上昇が確認できたが,計測器の精度上優位な差であることを証明するのは難しい結果となった. 平成24年に実測を行った結果より気球に搭載したステレオ画像装置の撮影は,気球とカメラアングルの接続を改良したにもかかわらず,画像解析精度が保証できるような計測ができなかった.離岸流場周辺の圧力式波高計の計測結果は,昨年度の問題点を改善すべく改良を行ったが,計測器の精度を十分保証できるまでにはいたらなかった.しかし,離岸流場周辺での平均的な水位の上昇,時空間変動が発生していることを示唆する結果が得られた.
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