2011 Fiscal Year Research-status Report
構造データマイニングを用いた大規模交通データセットからの知識獲得に関する研究
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23760469
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
有村 幹治 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40548062)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | データマイニング / 交通行動分析 |
Research Abstract |
本研究は、交通計画に資する情報を得るために、情報通信システムにより記録される交通起因の大規模データに対して構造データマイニング手法を応用し、特徴的な移動パターンや渋滞発生パターンを自動的に抽出する分析手法を構築するものである。 研究課題は大きく3つに分けられる。それは(1)構造データマイニング手法のレビュー及び応用可能な手法の整理、(2)交通現象発現パターン及び移動パターンの抽出・分類のためのデータ構造の基準化の検討、(3)既存大規模交通データセットに対する構造データマイニング分析の実施及び分析結果の交通計画論的意味の精査、となる。 現在、データマイニングに関する研究分野では、カーネルk-means法やサポートベクターマシン等、多くの手法が提案されている。本研究は、交通工学・交通計画の進展を目的としているが、情報通信技術、及び情報科学の知識を要する学際領域の研究となるため、研究の初年度は各分野における技術開発状況をレビューした上で、既存の交通データセットに適応可能な構造データマイニング手法の選定を行った。また大規模交通データセットとして、現在札幌市において展開している新しい自転車シェアリングサービスである「コミュニティサイクル」の2011年度の全利用記録データセットを入手し、データマイニング手法の適用方法を検討した。コミュニティサイクルは、情報通信技術を用いて個人認証と決済及び車両管理を行うため、日々そのデータが蓄積されている。入手した利用記録をテストデータとして、個人情報を消去した上で各種クラスタリング分析を実施し、新しい交通システムに対する需要構造の解明を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行上、道路・交通管理者や、交通事業者が保管する大規模交通データセットの入手が一番の問題であったが、協力企業より個人情報に係るデータ属性を消去した大規模な交通データセットを入手することができた。このデータセットに対するデータのクリーニングも終了しており、現在は、各種データマイニング手法の適用を試みている段階にある。協力企業からは、平成24年度についても、平成23年度同様に大規模データセットを提供して頂く予定となっている。 データマイニング手法の適用に関しては、現在は単純なクラスタリング手法を適用しているものの、今後サポートベクターマシン及びランダムフォレスト等を適用した分析を実施予定である。 以上より、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は入手済の大規模交通データセットへのデータマイニング手法の適用が主な作業となる。データの集計及び特徴量の抽出は済んでおり、今後はデータマイニング手法の一つであるサポートベクターマシン及びランダムフォレストによる交通行動分析を実施予定である。分析結果は順次学術雑誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費に関しては、ソフトウェアの購入、及び国内外の学会発表・参加のための旅費が主な使途となる。
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