2012 Fiscal Year Annual Research Report
構造データマイニングを用いた大規模交通データセットからの知識獲得に関する研究
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23760469
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
有村 幹治 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40548062)
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Keywords | データマイニング / 大規模交通データセット / ソフトコンピューティング |
Research Abstract |
本研究は、交通計画に資する情報を得るために、情報通信システムにより記録される交通起因の大規模データ(交通系ビックデータ)に対して構造データマイニング手法を応用し、特徴的な移動パターンや渋滞発生パターンを自動的に抽出する分析手法を構築するものである。 研究課題は大きく3つに分けられる。それは①構造データマイニング手法のレビュー及び応用可能な手法の整理、②交通現象発現パターン及び移動パターンの抽出・分類のためのデータ構造の基準化の検討、③既存大規模交通データセットに対する構造データマイニング分析の実施及び分析結果の交通計画論的意味の精査となる。 データマイニングに関する研究分野では、カーネルk-means法やサポートベクターマシン等の多くの手法が提案されており、それぞれの分析手法の特性に合致した適用が試みられている。本研究では、都市内の人の移動を記述した統計データであるパーソントリップデータ、及び都市の新しい移動手段であるコミュニティ・サイクル(都市型自転車シェアリングシステム)の利用履歴データ、また交通需要の空間分布の推定に応用可能な都市計画基礎調査データに対して、各種のデータマイニング手法の適用を試みた。具体的には、代表的な教師無しクラスタリング手法であるk-means法、複数の決定木を用いたアンサンブル学習アルゴリズムの一つであるランダムフォレスト、またランダムフォレストのパラメータ推定に遺伝的アルゴリズムを組み合わせたハイブリッドモデルを構築し、それぞれ適用した。 その結果、大規模なデータセットに内在する特徴的な移動パターンの推定、高精度の交通手段選択モデルの構築、日常・非日常時における移動パターンの推移、都市内の土地利用属性に応じたクラスタリングといった交通現象全体に係る知識の抽出が可能となった。
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