2014 Fiscal Year Annual Research Report
アジア開発途上国における軌道系輸送機関の導入による都市構造の変容に関する研究
Project/Area Number |
23760476
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松行 美帆子 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 准教授 (90398909)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 軌道系交通機関 / バンコク / スプロール / 土地利用 / 住宅 / オフィス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず軌道系公共交通機関であるBTSとMRT(地下鉄)沿線に、開業後に建設されたコンドミニアムを対象に、住民にその交通行動や従前居住地及び従前居住地における交通行動に関してアンケート調査を行った。その結果、沿線コンドミニアムの住民は主に、若い中間層で、独身もしくは子どものいない夫婦であることが明らかになった。彼らの多くはバンコク郊外部から現在のコンドミニアムに引っ越してきており、交通行動は従前は自家用車で長距離移動していたのが、現在は公共交通の利用率が上がり、移動距離も短くなったことが明らかになった。 次に、先のアンケートで沿線コンドミニアムへの引っ越し理由が職場の位置の移動が大半であったため、BTS及びMRT沿線のオフィスの立地動向調査と新規立地オフィスへのアンケート調査を実施した。その結果、沿線に新規に立地したオフィスの大半は新規のオフィスであり、郊外からオフィスが移転してきたわけではないこと、バンコク全体を見るとオフィス立地は郊外へ拡大しつつあることなどが明らかになった。 さらに、子どものいる家族の居住地、従前居住地、交通行動、住宅選好を明らかにするために、バンコク都内の塾およそ10カ所にて、子どもの送迎に来た親に対してアンケート調査をおよそ200件行った。その結果、子どものいる家族の大半は郊外の一軒家に居住し、通勤や通学交通は車に強く依存していること、しかしながら一部に関しては自宅から比較的近い郊外のオフィスに通勤しており、郊外居住により移動距離を短縮化していること、住宅選好に関しては環境や車での利便性を重視していることなどが明らかになった。
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Research Products
(1 results)