2012 Fiscal Year Research-status Report
観光行動の時系列変化の構造解明に向けた複数の統計データを用いた分析方法の提案
Project/Area Number |
23760477
|
Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
日比野 直彦 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (10318206)
|
Keywords | 土木計画 / 交通計画 / 観光政策 / 観光統計 |
Research Abstract |
「国民の観光に関する動向調査」,「旅行者動向調査」,「旅行・観光消費動向調査」,「社会生活基本調査」,「国勢調査」のデータを用い,それら比較することにより,各統計の特性を明らかした.各統計は母集団特性,調査方法,調査規模の影響によりサンプルの性年齢階層や地域別抽出率に母集団との乖離が存在し,同じ項目でも結果に不整合があることを明示した.結果の活用に関しては,性年齢階層,地域等での補正処理や,統計の特性を考慮した解釈が必要であることを示唆した. また,その特性を踏まえた国内宿泊観光行動の時系列分析を行い,若者の旅行離れの原因を,様々な統計調査の結果から明らかにし,さらには,温泉浴の今後の動向等も明らかした. 「全国幹線旅客純流動調査」のデータを用いた,都市間交通統計と観光統計との比較からは,手段別,性別では乖離があるものの,総量や居住地別目的地のオーダーは等しいことを確認した. 都市間交通統計は交通需要を精度高く把握できるが平休1日値と拡大した年間値のみのデータとなる.一方の観光統計は季節変動はあるものの都市間交通統計と比べると精度が低い.そのため,純流動の年間値に観光統計で得られた月別の需要変動,居住地別目的地の構成比を組み合わせると,より精度の高い観光データとなる可能性があることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響等もあり,統計調査データの公表が遅れたが,分析対象データを変更して分析を行ったことにより,おおむね順調に進展した. また,国際会議の延期により,1つの発表が遅れたことを除けば,研究成果の公表もおおむね順調であり,審査付き論文も掲載された.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までの研究成果を,引き続き学会発表するとともに,審査付きの学術誌に投稿する. 統計調査データの更新を行い,これまでの成果を踏まえ,新たな研究へと深度化,展開する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
10月に開催予定だった中国西安での国際会議が,情勢不安により延期になったため,その旅費が未使用額となった. 延期となった国際会議が4月に開催されるのでこれに出席し,研究成果を発表する.
|
Research Products
(4 results)