2011 Fiscal Year Research-status Report
連結・時間信頼性を考慮した総合リスク対応型交通ネットワークデザイン体系の確立
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23760478
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中山 晶一朗 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90334755)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 連結・時間信頼性 / ネットワークデザイン / 総合リスク対応 |
Research Abstract |
これまで確率的利用者均衡(SUE)があったが,これは確率効用理論に基づいた経路選択を用いた交通均衡であり,算出される交通量はその名称に反して確定的なものである.本研究課題では,交通量や旅行時間の分布やばらつきを陽に算出できる,交通量・旅行時間が各々の確率分布に従う確率交通均衡モデルを発展させた. リスク対応型交通ネットワークデザインとして,ネットワーク形状,リンク強度・容量,料金を予算制約・均衡制約の下で,社会便益を最大化させる.上述の確率交通均衡モデルの変分不等式形式の均衡制約付き最適化問題となる.これを解く際には,通常の最適化手法では局所解に陥る等の問題が生じる.このため,解探索の際に確率的なゆらぎを導入して,局所解から脱出させ,そのゆらぎを徐々に小さくすることで全域最適解を求める.モデル体系自体が確率的なものであるため,極めて親和性が高い.このような均衡配分のためのシミュレーティッド・アニーリング手法の開発を行った. リスク計算のために,災害によるリンク途絶を確率的に発生させる.このリンク途絶はある程度長期的なものになるため,均衡が成立すると仮定する.この時,リンク途絶の組み合わせごとに確率均衡計算を行う必要が生じる.しかし,均衡計算は少なからずの計算時間が必要で,多数の均衡配分を行うと,膨大な計算時間がかかる.テーラー展開の応用による感度分析を適用し,そこで途絶リンクの交通容量を0もしくは十分に小さな値を代入することで,行列計算のみで,均衡配分の近似値が得られ,著しい計算時間の短縮が見込める.このための感度分析法の開発を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」の平成23年度の実施計画の内容(3つの項目の「確率ネットワークモデルの拡張」,「最適化モデルの構築」,「リスク感度分析モデルの開発」)に照らし合わせると,おおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,おおむね順調に研究が進んでいるため,平成23年5月に作成し,提出した,平成23年度科学研究費助成事業交付申請書の研究実施計画の平成24年の実施計画の通り,平成24年度の研究を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
リスク対応型ネットワークデザインのための計算機や解析のためのソフトウェア,書籍などの物品費として,600,000円.研究成果報告及び研究協力者との研究打ち合わせなどのための旅費800,000円.研究成果とりまとめのための事務作業に対する謝金として50,000円.研究成果発表としての論文投稿料,それら論文の英語校正料,研究成果発表の会議参加登録料などとして,250,000円.合計1,700,000円の直接経費を予定している.
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