2012 Fiscal Year Annual Research Report
連結・時間信頼性を考慮した総合リスク対応型交通ネットワークデザイン体系の確立
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23760478
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中山 晶一朗 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90334755)
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Keywords | 連結・時間信頼性 / 交通ネットワーク |
Research Abstract |
阪神淡路大震災の経験を持ち出すまでもなく,災害時における交通の重要性は広く知られている.また,災害時だけでなく,日常でも事故その他が原因で所要時間が通常よりも超大になることは誰しも経験するところである. これまで連結信頼性はノード間が連結される確率で定量化されるが,確率としての定量化は便益評価に用いにくく,時間信頼性との統合も容易とは言えない.そこで,交通需要があるノード間が連結されず,そのノード間の移動をあきらめると移動するの選択を上位の選択とし,移動する場合はどの経路を選択するのかを下位の選択とするネスティッド・ロジット・モデル(NLモデル)により,道路利用者の行動をモデル化した.また,これまでに時間信頼性のための交通均衡の確率化のフレームワークを構築したが,この確率化フレームワークにリンク途絶等の連結確率と上述のNLモデルを導入することで,連結・時間信頼性の両方を確率理論の枠内で統一的に扱う手法を開発した. ネットワーク形状,リンク強度・容量,料金を予算制約・均衡制約の下で,社会便益が最大となるように求めることができる.これを変分不等式形式の均衡制約付き最適化問題として定式化した.これは通常の最適化手法では局所解に陥る等の問題が生じるため,シミュレーティッド・アニーリング手法を用いて,解探索の際に確率的なゆらぎを導入し,局所解から脱出させ,そのゆらぎを徐々に小さくすることで全域最適解を求める手法を開発した.
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