2012 Fiscal Year Annual Research Report
浄化槽整備地区の水路環境に着目した地域水環境形成に対する浄化槽整備の影響評価
Project/Area Number |
23760502
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 俊郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30335103)
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Keywords | 浄化槽 / 放流水 / 水路 / 水質 / 微生物 |
Research Abstract |
本研究は,処理水放流先の“水路”に着目して,現場調査によって水路の環境を明らかにするとともに,浄化槽の種類や管理状況が水路環境に与える影響を解明し,水路環境から見た健全な地域水環境の形成に資する浄化槽整備・管理のあり方を提示することを目的としている。今年度も昨年度に引き続き,岐阜県内にある浄化槽整備地区内を流れる水路を対象に現地調査を実施し,特に浄化槽の種類や管理状態と放流先水環境中での水質および底質の状態の関係を明らかにするための詳細な調査を実施し,また昨年度とは異なる浄化槽整備地区においても調査を実施し,物理的指標や一般水質とともに,一般細菌,従属栄養細菌,大腸菌群,大腸菌,モデルウイルス(大腸菌ファージ)の分析を実施した。比較的新しい型式の浄化槽が整備されている地区における水路内の水を晴天時に早朝から深夜にかけて連続的に採水した結果,昨年度調査を行った地区との結果と同様に,放流水は日常生活による水利用による水質への影響がみられたが,浄化槽の型式による顕著な水質の差異は認められなかった。しかし水路に付着している微生物量や種類,状態において差があり,農地等生活区域以外からの水や土砂の流入による水路環境の違いが影響していることが示唆された。水路内の底質を面的に広く採取して底質中の大腸菌やモデルウイルスの存在状況を把握し,さらに微生物群集の差異を明かにするとともに,単独浄化槽の利用区域での水路は合併浄化槽利用区域と比較して健康関連微生物の存在量が多いことが示唆された。
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