2011 Fiscal Year Research-status Report
日本全国を対象とした土砂と汚染物質の共存場における物質循環モデルの構築
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23760503
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
賀 斌 京都大学, 極端気象適応社会教育ユニット, 准教授 (90569724)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 物質循環 / 日本 / 流域 / 河川 / 水質 / 土砂 / 水資源利用 |
Research Abstract |
本課題では、窒素・土砂を基本とする物質循環系として生態系を考慮し,日本の流域における生態系システムモデルの構築を行って、河川から海域へ負荷される栄養塩類の長短期間変動実態とその変動要因を解明し、河川水中の溶存態無機態窒素・土砂に対する割合の変動実態について検証するとともにその変動要因について考察し、人間活動が沿岸海域へ流入する栄養塩類と物質の変動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。また、今後の土地・水資源利用の変化を考慮し、その変化に伴う気候条件や土地生産性の変動、水質汚濁などの環境影響の可能性を、窒素・土砂の物質循環の変化を把握する。 本年度は、日本の流域における水文・環境・社会・生産などについて長期環境データベースの構築、データベースの統計解析、文献の収集を行った。具体的には、日本における対象流域の水・物質循環解析に必要となる地形、地質、土地利用、植生、人口、農業、畜産、気候など情報を収集し、水環境情報ディジタルライブラリを構築した。また、GIS(数値地図情報システム)やリモートセンシング(衛星画像や航空写真)を活用し、農業・畜産業・森林地域データ及び地域の土地利用等の基礎環境データ情報を統合した。さらに、以上のデータベースを用いて、広域環境負荷モデルを開発し、日本の流域に応用した。以上開発された広域環境負荷モデルについて、時間と空間解像度のUNCERTANITYを検討した。また、長期間シミュレーションとして、流域ごとの出力を観測データと比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本の流域における水文・環境・社会・生産などについて長期環境データベースの構築、データベースの統計解析、文献の収集を行った。また、今年度の研究成果を整理して、論文としてとりまとめ、国際誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本・欧米・アジアの途上国における環境負荷・環境政策を検討し、将来のさまざまな社会発展における環境と温暖化への適応策を提案する。また、窒素・土砂負荷量の河川排出量とそのトレンド・要因を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査データ格納用ボータブルハード・USBなど:10万円;数値計算・水環境関連ソフトウェア:10万円;国内の学会参加費・現地調査費用:15万円;海外の研究調査・学会参加旅費:30万円;謝金(資料整理)・研究成果発表費用・投稿料など:15万円
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