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2013 Fiscal Year Research-status Report

凝集阻害対策と高効率処理を目指したキトサンを主成分とする凝集助剤の開発

Research Project

Project/Area Number 23760509
Research InstitutionFukushima National College of Technology

Principal Investigator

高荒 智子  福島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80455112)

Keywords凝集沈殿 / キトサン / 凝集助剤 / ポリ塩化アルミニウム / 凝集阻害
Research Abstract

本研究は,閉鎖性水域における藻類増殖や気象による原水濁度の上昇などによって処理操作が難しくなる浄水処理における凝集沈殿処理に対して,キトサンを凝集助剤に用いることによる処理の高効率化を目指している.本年度は,以下の3点について実験による検討を行った.
①キトサン溶液の溶媒の決定:浄水場で一般的に使用・管理されている溶液を用いて,キトサン溶液の溶媒としての有用性を評価した.次亜塩素酸ナトリウムおよび塩酸を用いて実験を行ったところ,塩酸を溶媒にして作成したキトサンは,酢酸に溶解したキトサンとほぼ同程度の凝集助効果をみせ,溶媒として適していることが分かった.一方,次亜塩素酸ナトリウムは,強いアルカリ性であるためキトサンの正電荷が低下し,凝集効果を悪化させる傾向が観察された.以上の結果より,キトサンの溶媒には塩酸が適していることが明らかとなった.
②凝集阻害を引き起こすモデル物質存在下におけるキトサンの凝集補助効果:藻類が産生する凝集阻害物質のモデル物質としてグルクロン酸を用いて,凝集阻害物質に対するキトサンの凝集助効果について検討を行った.実験の結果,キトサンによる凝集補助効果は認められず,凝集反応の向上は見られなかった.これは,凝集剤として使用したポリ塩化アルミニウム中のアルミニウムとグルクロン酸が錯体を形成したことが理由であると考えられた.凝集阻害に寄与する物質は多種多様に存在し,その凝集阻害メカニズムもいくつか報告されているが,中でもアルミニウムと錯体を形成することによって凝集阻害を引き起こす物質については,キトサンの凝集助効果は発揮されない可能性があることが示唆された.
③キトサンの劣化について:キトサン溶液を作成し1カ月以上の長期保存を行った後の凝集補助効果を検証したところ,効果の劣化は見られず安定した補助効果が観察された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在までのところ,研究は当初の計画よりもやや遅れている状況である.理由は,平成25年度に計画していた発生汚泥の構造分析と分解速度の検討が出来なかったためである.研究実績の概要でも述べたように,今年度行った実験のうち,凝集阻害のモデル物質を使用した実験において,キトサンの凝集補助効果がみられなかった.本研究の目的は,キトサンを凝集助剤として用いることによって,凝集阻害や急激な原水水質変動にも対応可能な安定した凝集沈殿処理を目指すものであることから,凝集阻害の抑制は本研究の大きなテーマになる.次年度は,これまでの計画内容に加え、キトサンが凝集阻害の抑制効果を発揮させるための新たな方法について検討を行い,キトサンの凝集補助剤としての有益性について総合的に判断する作業が必要であると考えている.

Strategy for Future Research Activity

① グルクロン酸存在下におけるキトサンの凝集補助効果
グルクロン酸存在下における凝集実験を行い,グルクロン酸のポリ塩化アルミニウムおよびキトサンとの反応メカニズムについて整理する.この結果を踏まえ,キトサンによる凝集阻害の抑制を行うための方法について検討する.
② 藻類由来有機物存在下におけるキトサンの凝集補助効果
閉鎖性水域で増殖した藻類から有機物を抽出し,抽出有機物存在下におけるキトサンの凝集補助効果について検討する.①は単一のモデル物質に対する検討であるが,この実験は,藻類細胞,細胞外有機物,細胞内有機物など藻類由来有機物の存在部位や有機物の種類に着目する.この実験を通して,凝集阻害物質の組成とキトサンの凝集補助抑制の関係について検討する.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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