2012 Fiscal Year Research-status Report
定着部組込型ダンパーを用いたアンボンドPCaPC圧着接合構造の提案とその構造特性
Project/Area Number |
23760514
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越川 武晃 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10399983)
|
Keywords | PCaPC構造 / アンボンド / ダンパー / 損傷制御 / 動的応答 |
Research Abstract |
本研究は、アンボンドPCaPC圧着接合構造を対象として、PC鋼材の定着部に弾性バネと粘(弾)性系の減衰材からなるダンパーを組み込んだ上で一体化を図る新たな構造形式を提案するものである。本研究では、提案構造の全体挙動を対象とする数値解析と損傷領域に限定したより詳細な3次元有限要素解析の2種を用いて、その構造特性の定量評価を図ることを主な目的とする。本年度に実施した研究内容は以下のとおりである。 [1]定着部組込型ダンパーを有するアンボンドPCaPC圧着接合構造の非線形応答性状に関する基礎的な検討を行った。このために、本構造を構成する材料と部材の非線形特性のモデルを解析法に導入し、パラメトリック解析を実施した。また、アンボンドPCaPC圧着接合構造における部材レベルでの検討として、骨組内での梁の挙動に着目した解析を行い、履歴性状とダンパー付加の影響等に関しての知見を得ることができた。 [2]3次元有限要素解析システムを用いたアンボンドPCaPC圧着接合構造の損傷評価に関して、動的応答性状に関する予備的検討を行った結果、この種の構造の非線形領域での履歴挙動の再現性にさほど精度が見込めなかったことから、ここでは主に圧着接合部の損傷抑制を目的とした補強法に関する検討を行った。解析対象はPCa梁部材の圧着接合部付近を鋼板製のバンドで巻き付け補強した試験体とし、実験結果と解析結果の整合性を確認した後に解析結果の詳細な検討を行い、バンドによる損傷抑制効果の程度について把握した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における本年度の目的は、提案構造のための非線形応答性状に関する検討、ならびに3次元有限要素解析システムを用いたアンボンドPCaPC圧着接合構造に対する損傷評価の実施であり、これらはおおむね遂行することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、提案構造のための非線形応答性状に関する更なる検討、ならびにその構造特性に関する定量評価等を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|