2013 Fiscal Year Annual Research Report
定着部組込型ダンパーを用いたアンボンドPCaPC圧着接合構造の提案とその構造特性
Project/Area Number |
23760514
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越川 武晃 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10399983)
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Keywords | PCaPC構造 / アンボンド / ダンパー / 損傷制御 / 動的応答 |
Research Abstract |
本研究は、アンボンドPCaPC圧着接合構造を対象として、PC鋼材の定着部に弾性バネと粘(弾)性系の減衰材からなるダンパーを組み込んだ上で一体化を図る新たな構造形式を提案するものである。本研究では、提案構造の全体挙動を対象とする数値解析と損傷領域に限定したより詳細な3次元有限要素解析の2種を用いて、その構造特性の定量評価を図ることを主な目的とする。本年度に実施した研究内容は以下のとおりである。 [1]定着部組込型ダンパーを有するアンボンドPCaPC圧着接合構造の非線形応答性状に関する更なる検討を行った。提案構造の骨組解析モデルに対して、アンボンドPC鋼材とダンパーの剛性、およびダンパーの減衰係数を主なパラメータとしたパラメトリック解析結果から、提案構造の履歴挙動に及ぼすこれらのパラメータの関係性と減衰効果について把握することができた。また、アンボンドPCaPC圧着接合構造における部材レベルでの検討では、圧着面の目開き挙動時を対象とする耐力点評価を行った。ここでは、理論展開に基づく評価式を誘導し、評価式における変数の妥当性と係数の評価を行った上で、評価式が既往の実験結果に対して十分な精度の適合性を有することを確認した。 [2]以上の研究成果の総括を行った。本研究で得られたダンパーによる減衰特性、圧着接合部付近の損傷程度、および圧着面における履歴特性等について総合的な検討を行い、定着部組込型ダンパーを用いたアンボンドPCaPC圧着接合構造の構造特性の定量化に関する有用な知見が得られた。
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