2013 Fiscal Year Annual Research Report
持続型社会に適した超軽量合成構造におけるボルト接合部の力学特性解明
Project/Area Number |
23760522
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松本 幸大 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00435447)
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Keywords | FRP / ハイブリッド構造 / 空間骨組構造 / すべり係数 / クリープ |
Research Abstract |
FRP形材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部に対して長期ボルト軸力モニタリングを行い,張力低下を定量的に評価するための実験結果を引き続き収集した。具体的には,ボルトの軸部に歪ゲージを埋め込みボルト張力を精度よく計測できるよう加工したM16およびM20ボルトとブラスト処理された鋼板,板厚6.3mmのGFRP形材によるボルト接合部を対象として,座金の大きさ2種類(高力ボルトセットに標準添付の座金と大型座金(M16の場合は46mm,M20の場合は56mm),大型座金の厚さ3種類(無し,4.5,および9mm)締め付けトルク値(M16の場合は100と300N.m,M20の場合は60,150,300および475N.m)とした試験体についてボルト軸力モニタリングを行い,昨年度までの計測結果に加えて多くの実測データを取得した。結果,面積が大きく厚い座金を用いることで張力低下が10%程度改善すること,将来の低下量の予測が可能となることを明らかとした。 同上のハイブリッド構造高力ボルト摩擦接合部の長期性状を明らかとするため,施工後1-3カ月における接合部引張および圧縮載荷実験を行い,耐力・破壊性状を分析した。養生期間中は長期軸力として30kNおよび60kNを導入し続け,接合部のクリープ性状も同時に観察した。結果,部材としてのクリープは生じないこと,養生期間を設けることでボルト張力は低下するものの摩擦係数は0.45以上の値が得られることを明らかとした。これらを踏まえ,従来,支圧接合設計されていたこの種の合成構造において,摩擦耐力も期待できることを明らかとした。 実験を実施した接合部周辺の有限要素解析を行い,実験結果と解析結果の対応関係が得るとともに,解析より得られたFRP材の応力分布を用いてボルト軸力の低下傾向を推定する実験式を構築した。
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Research Products
(4 results)