2012 Fiscal Year Research-status Report
施工設計法の確立に向けたフレッシュコンクリートのレオロジーモデルの構築と定量化
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23760523
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三島 直生 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30335145)
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Keywords | フレッシュモルタル / レオロジー / 回転粘度計 / ダイラタンシー / 間隙水圧 / 内部摩擦係数 / せん断ひずみ加速度 |
Research Abstract |
近年、鉄筋コンクリート構造物に要求される性能は高度化しており、それに伴う使用材料の多様化や配筋の過密化、また骨材事情の悪化等によりコンクリートの打設難度の上昇が問題となっている。ジャンカなどのコンクリートの充填不良は、断面欠損などにより構造性能および耐久性能に悪影響を及ぼし、また、ポンプ圧送時に閉塞が起これば、打設が一時停止することによりコンクリートのコールドジョイントの発生などが危惧される。一度発生した施工不良は、場合によってはその後の補修・改修に多大な労力とコストを費やすことになる。今後の国内の経済・社会情勢を考慮すると、より高品質な鉄筋コンクリート構造物を、確実に生産していくための技術の確立が急務である。 これに対して本研究では、このコンクリート工事の施工設計に不可欠な、フレッシュコンクリートのレオロジーモデルを構築し、施工設計の基礎となる理論を確立することを目指す。高濃度サスペンションであるフレッシュコンクリートのレオロジー性質には、現時点で適切に評価できる試験方法が無いため、タイプの異なる複数の試験装置を試作し、正確な変形特性を測定することを目指す。 本年度は、モルタル用二重円筒式回転粘度計を用い、これまで確認されていなかったせん断ひずみ加速度の影響に関する実験的な検討を行った。その結果、せん断ひずみ加速度の減少によりせん断応力の変動が小さくなること、およびピーク後のせん断応力の時刻歴はせん断ひずみ加速度によらずほぼ一致することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの懸案事項であった、せん断ひずみ加速度の変化に関して、装置の改良により変動させることが可能となり、また、予想したようなせん断ひずみ加速度がせん断応力のオーバーシュート量に及ぼす影響が定量的に示された。これにより、フレッシュモルタルを用いたレオロジーモデルの構築に関しては概ね完了したと考えられ、今後は各種係数の定量化、およびフレッシュコンクリートへの適用を進める段階に入ることができる。高濃度サスペンションのレオロジーモデルを構築する事を主目的とした本研究に対して、研究最終年度を残した段階で、以上の結果が得られていることから、概ね、順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに提案したモデルの検証作業を進める。さらに、これまでの検討がフレッシュモルタルが中心であったために、試験装置の大型化を検討し、フレッシュコンクリートでの試験をできる体制を整えることを目指す。また、回転粘度計以外の形式の試験装置に関しては、慎重な計画の立案が必要であることが、これまでの実験結果から明らかになってきたため、この点は実験を行いながら、全く新しいタイプの試験装置の構想を固めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでに使用してきたモルタル用回転粘度計で、一部部品の破損等が発生しているため、その修理・更新のための部品代に当てる。また、フレッシュコンクリート用の試験装置の試作も試みる。ただし、これについては完成までは時間がかかることが予想される。他に、フレッシュモルタルに関する検証実験は、本年度と同様に進め、提案モデルの検証を進めていく予定であり、実験材料代および消耗品代は本年度と同様の出費となる。また、本研究成果を学会論文として1編作成・投稿済みであり、このための旅費等の経費も支出予定である。
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