2013 Fiscal Year Annual Research Report
施工設計法の確立に向けたフレッシュコンクリートのレオロジーモデルの構築と定量化
Project/Area Number |
23760523
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三島 直生 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30335145)
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Keywords | フレッシュコンクリート / レオロジー / 回転粘度計 / ダイラタンシー / 間隙水圧 / 内部摩擦係数 / せん断ひずみ加速度 |
Research Abstract |
欠陥のない、高耐久かつ高品質な鉄筋コンクリート構造物を安定して生産するためには、構造設計や材料設計と同様に、施工に関しても施工設計の考え方を導入した設計・管理が不可欠である。この施工設計の実現のためには、そこで使用される材料であるフレッシュコンクリートの性質が定量的に把握されることが不可欠であるが、現時点では正確なフレッシュコンクリートの性質をあらわすためのモデルおよび測定方法が存在しない状況である。 本研究では、実際のコンクリート工事において問題となると考えられるフレッシュコンクリートの閉塞現象、および実施工には不可欠であるが定量的な特性の把握が進んでいない振動締固め時の流動化現象を対象として、これらの現象を表すことのできるレオロジーモデルの構築およびレオロジー定数の定量化を試みた。 筆者による既往の研究結果から、フレッシュコンクリートのレオロジーモデルに対してはダイラタンシーの特性が表現できるモデルが不可欠であるとの結論を得ており、前年度までの研究結果から、せん断ひずみ加速度とせん断応力の変化量に相関があることを明らかにした。また、フレッシュモルタルに関するダイラタンシーを考慮したレオロジーモデルを提案した。 研究最終年である本年度においては、提案したフレッシュモルタルのレオロジーモデルに対する検証を進めるとともに、フレッシュコンクリートに対する測定が可能な新たなレオロジー試験装置の開発を進めた。その結果として、フレッシュモルタルのレオロジーモデルに関しては、せん断ひずみ加速度とせん断応力の変化量の関係を規定する関数の形式に問題が残るものの、おおむね必要な性質を表現することができるモデルであるとの結論を得た。また、フレッシュコンクリート用のレオロジー試験装置については、設計に対する試行錯誤の結果、実用性を考慮した試験装置を試作することができた。
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