2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート充填鋼管柱のせん断破壊性状に関する基礎的研究
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23760528
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中原 浩之 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60315398)
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Keywords | コンクリート充填鋼管柱 / せん断破壊 / 曲げ破壊 / 円形断面 / CFT指針 / せん断スパン比 / 履歴特性 / アーチ機構 |
Research Abstract |
通常のプロポーションのコンクリート充填鋼管(CFT)柱は,せん断耐力が大きいため曲げ破壊することが多い.このため,CFT 柱のせん断破壊に関する研究はほとんど行われていないのが現状である.しかしながら,柱のせん断スパン長さa と柱せいD の比a /D(せん断スパン比)が小さい極短柱(a/D=1.0 以下)では,曲げ耐力に達することなく破壊する現象が,崎野らの研究(日本建築学会構造系論文報告集, 353号,1985.7.)によって実験的に示されている.この実験研究の対象は,角形断面のCFT短柱である.2008年に改訂された「CFT指針」では,数多くの実験データが参照されているが,円形CFT 短柱のせん断破壊に関する参照データは無く,実験的検証は不十分である. 平成23年度には,a/D=0.5とした8体の円形CFT試験体を作成し,水平加力実験を実施した.試験体に完全な逆対称変形を与えるには,水平力を与える油圧ジャッキの軸線が,試験体の中央に水平に通っていることが必須の条件となる.しかしながら,全載荷過程において,上記を満たすことは難しく,実際の試験体のa/D は0.5よりも大きくなった.そのため8体中,2体は曲げ破壊により最大耐力が決定された.残りの6体は,鋼管のせん断断降伏が先行して,せん断破壊により最大耐力を発揮した.平成24年度には,a/D=0.75とした8体の円形CFT試験体を作成し,水平加力実験を実施した.この実験では,すべての試験体でせん断破壊により最大耐力を発揮した. 円形CFT柱は,せん断破壊する場合も,曲げ破壊する場合と同等の優れた履歴性状を示すことや,せん断破壊した試験体の最大耐力は,現行CFT指針の終局せん断耐力式で安全側に評価できることが示された.また,このCFT短柱を履歴ダンパーとして組み込んだ建物の解析を行い,CFT短柱の新たな利用法を提示できた.
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Research Products
(7 results)