2011 Fiscal Year Research-status Report
サブストラクチャ擬似動的実験を用いた非線形弾性骨組の残留変形に関する研究
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23760529
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
小幡 昭彦 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (30433147)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 建築構造 / 鋼構造 / 非線形弾性復元力特性 / サブストラクチャ擬似動的実験 / 残留変形 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非線形弾性復元力特性と呼ばれる特殊な復元力特性を有する鋼構造骨組を対象にサブストラクチャ擬似動的実験を行い,非線形弾性復元力特性を有する骨組が大地震時においても被害が少なく,損傷を軽微に留められることを確認することである。これまでの研究で,本研究の中核をなすサブストラクチャ擬似動的実験の一次実験がすでに行われており,その実験結果より,実験システムの精度向上とさらなる追加検討が必要であると判断される。本研究では,これまでの実験で発生した試験体部分の数値積分時における不釣り合い力の影響を極力取り除くために実験システムを改良し,その後,新システムでの実験結果より残留変形について新たな考察を加える。特に,実験システムにおける中核を成す数値計算プログラムの改良については,下記の二項目について新たに加える。一つ目として,部材端部にこれまでに使用してきた非線形弾性回転バネに加え,新たに非線形弾塑性回転バネを直列に組み込み,部材の塑性化を再現することである。これまでに行ったサブストラクチャ擬似動的実験の一次実験では,実験システムの確立および架構全体の応答特性性状の把握を目的としていたため,数値計算上の部材は弾性部材として取り扱っていた。これにより,本実験では,部材の塑性化による材料非線形を検討することができ,極大地震時における残留変形の評価が可能になる。二つ目として,不釣り合いモーメントの解消についてであるが,これについてはサブストラクチャ擬似動的実験の性質上,不釣り合いモーメントの影響を各stepで解除するのは困難であるといえる。本実験では,特に不釣り合いモーメントの大きな増分stepにおいて時間刻みをさらに細かく分割して計算を行うことで,不釣り合い力を低減する方法を採る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度には,特にサブストラクチャ擬似動的実験における精度の高い実験システム確立を目的とし,一次試験で使用した数値計算プログラムの改良および実験計画の再構築を行う予定であった。現時点で本研究は,数値計算プログラムの改良を行っている段階であり,そのため「やや遅れている」といえる。実験計画については,現時点で架構モデルの選定,試験体の作成をすでに終了させており,予定通りであると言える。本実験の主目的といえる架構モデルにおける残留変形評価の方法については,応答が十分に低減するまで無入力時間領域を設けることで評価することを計画している。同時に,従来の剛接合骨組に相当する試験体を用意し,非線形弾性復元力特性の残留変形に対する優位性を確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,早急に数値計算プログラムの改良を終了させる。その後は,サブストラクチャ擬似動的実験本試験を行い,残留変形についての考察を行う。各層の柱梁接合部および柱脚接合部を剛接合としたモデルと非線形弾性回転バネを有するモデルの二種類とし,残留変形についての考察を行い,非線形弾性復元力特性の残留変形に対する優位性を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費使用計画としては,本実験に関わる消耗品等の購入を予定している。現時点で特に必要となるのは歪ゲージ(一試験体あたり60枚程度)の購入費,計測機取り付け用冶具の製作に必要な材料費等である。また,本研究テーマに関する成果発表として,第15会世界地震工学会議(15th World Conference on Earthquake Engineering)において発表を予定しており,こちらについては旅費,論文投稿費等を申請する。
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