2012 Fiscal Year Research-status Report
分光と輝度の分布を考慮した視環境評価メカニズムの解明
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23760553
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
望月 悦子 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80458629)
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Keywords | 自発光表示物 / LED照明 / 周辺視 / 被験者実験 |
Research Abstract |
近年、LEDの普及により同一表示物内に多色を使用し、個々の情報を目立たせるよう工夫している例も多く見られるようになってきた。しかし、多色使いとすることによって、逆に必要な情報が目立たなくなってしまう可能性もある。また、網膜上の視細胞の分布、感度特性から、光色によっては視野周辺に提示された場合、視覚情報を十分に得られない可能性もある。 表示物に使用する最適な色については研究も行われているが、多色を組み合わせる場合の最適な組み合わせ、色の配置については研究されていない。そこで今年度は、多色の自発光式表示物の視認性について被験者実験を行い、自発光式表示物の適切な色配置を検討した。また、中心視で複雑な情報取得を行っている最中の周辺視における色光の視認性についても検証した。 多色表示における最適な色配置に関しては、中心視野内に単色で情報呈示される場合、複数色で情報呈示される場合の位置や色数による視覚情報取得にかかる時間の違いを被験者実験により検証した。今年度の実験では、文字情報が縦に配置される場合について検討した。 中心視で複雑な情報取得を行う際の周辺視における色光の視認性については、偏心角65°までの範囲について、色光5条件を知覚するまでに要する時間を測定した。 結果、縦配列の文字による情報提示を行う場合、一色のみで呈示する場合には、中心に近いほど情報が目立つこと、複数色を用いる場合は目立たせたい情報に隣接する色を変えることで誘目性が向上することがわかった。また、周辺視における情報呈示には、青色光が有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度は、視覚特性の異なる被験者(色覚障がい者、高齢者)を用いて光色・輝度に対する順応過渡過程での周辺視における色光の視認性について評価を行った。ここでは、視認できるか否かのみを評価したが、2012年度の実験では、視認までに要する時間も計測したことで、例えば自動車運転時における安全性確保のために、必要な視覚情報を最小限の時間内に取得させるための照明条件を導きだせるものと考える。 ただし、2011年度、2012年度の2つの実験で用いた実験装置、提示条件が異なったため、両実験結果を直接比較することはできない。2013年度以降、両実験結果を統合するための検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年度と2012年度に実施した実験結果を統合し、光色、輝度に対する順応状態を考慮した周辺視における色光の視認性について評価モデルを構築する。 ただし、2011年度と2012年度とで、実験に用いた装置、光源種類、条件範囲が異なるため、直接両方の実験結果を統合することはできない。不足する条件については追加実験を行い、データを補充する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2011年度、2012年度の実験データを統合するために必要なデータを取得するための被験者実験ならびに評価モデル構築に必要な記録媒体等の消耗品費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)