2013 Fiscal Year Annual Research Report
分光と輝度の分布を考慮した視環境評価メカニズムの解明
Project/Area Number |
23760553
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
望月 悦子 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80458629)
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Keywords | 輝度分布 / 視認性 / 被験者実験 |
Research Abstract |
LED等の新規光源の登場により、分光分布設計の自由度は増してきている。しかし、照度・輝度を中心とする測光量は明所視における中心視を仮定しており、現行の照明計画もある一点あるいは空間全体の平均の照度・輝度を基準に行われている。 東日本大震災以降、省エネルギーの観点から、明るさムラを許容できる新たな設計手法が求められつつある。震災直後に行った駅舎の照明環境の調査では、特に階段空間において明るさムラによる歩行しづらさが指摘された。 そこで最終年度は、空間全体に明るさムラのある場合の視認性を明らかにすることを目的とし被験者実験を行った。被験者実験では、空間内移動に伴い目の順応状態が逐次変化する環境を想定し、空間的・時間的に明るさの変化する環境における視認性を評価した。 実験では、空間全体の平均照度と空間内輝度分布の組み合わせが異なる13条件と階段の踏面と段鼻の輝度対比7条件を組み合わせた全85条件について、被験者19名(高齢者10名、若齢者9名)を用いて評価した。 結果、階段全体の照度が不均一な環境下(均斉度0.5~0.8)で、降りる際の許容度に最も影響を及ぼすのは、空間の印象良否であることがわかった。また、空間の良否に対して階段内の均斉度が最も影響を及ぼしていた。高齢者では、今回の実験で評価したほとんどの条件で評価点4 以上のよい側の評価を得られたため、均斉度0.5~0.8 の階段は許容される可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)