2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境面から見た木質バイオマスの有効活用方法の提案‐炭素固定評価手法の提案を通して
Project/Area Number |
23760555
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 謙介 東京理科大学, 理工学部, 助教 (30581839)
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Keywords | ライフサイクルアセスメント / 建築 / 木材 / バイオマス / 炭素固定 |
Research Abstract |
本研究は、資源循環・低炭素社会を構築するための木質バイオマスの利活用方法を提案することを目的とした。具体的に、成長速度を考慮した炭素固定評価手法を提案し、森林資源の建築における利用可能性と環境負荷低減可能性の検討を行った。 (a)炭素固定に関する評価方法を検討し、特に、建物を建築する側の立場からより多く、長期間固定するための評価手法を提案した。 (b) 用材別のマテリアルフローの成果を踏まえ、2000年、2005年、2010年の木材の用途ごとのマテリアルフロー・炭素フローを構築・分析した。その結果、建築分野での木材消費量は、2010年は2000年の7割程度となっていること、消費量の内訳(製材・合板などの割合)は、大きく変わっていないことが分かった。また、環境影響評価を実施し、製材・合板などの木材加工プロセスで発生する環境負荷が大きな割合を占めていることを示した。また、それらの負荷削減のためには、化石燃料の削減が重要であることを確認した。更に、環境影響評価における課題も整理し、特に環境負荷の配分方法によって、評価結果が大きく影響を受けることを指摘した。 (c) 育林・伐採、木材加工(製材・合板等)、木くず処理など木材ライフサイクルにおける各プロセスについて実態調査を行った。過去に実施した調査結果も含めて20以上の施設を対象に、各プロセスにおけるフロー・課題を整理した。また、データが得られた施設は環境影響分析を行った。更に、処理については木くずの再資源化可能性についても整理した。 (d) 以上の検討結果を踏まえ、建築設計者の立場では、木材利用量を増加させること、長寿命化により固定期間を長くすること、マテリアルリサイクルにより二次利用することなどが、資源・炭素面からの環境負荷削減策に結び付くことを、ケーススタディを通して示した。
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Research Products
(6 results)