2011 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎に代表される幼児の皮膚疾患の実態把握とその予防対策
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23760559
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80321438)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 幼児 / 保育所 / アレルギー / アトピー / 温湿度 / 暴露 / 皮膚 |
Research Abstract |
幼児の皮膚疾患の実態把握として、岐阜西濃地区において保育所に通う幼児の皮膚症状の実態と、生活環境との関連について、用紙配布によるアンケート調査を実施した。また、同様のアンケートを東海4 県においてインターネットにより実施した。生活環境の実態把握では、岐阜西濃地区にある5保育所において冬季3ヶ月間の温湿度・ダニアレルゲン量、真菌類の測定を行った。また、保育所における幼児の暴露環境を把握すべく、保育士に活動調査および温湿度調整行為の記録を1週程度依頼した。さらに、幼児の居住する住宅での温湿度調査・皮膚水分率の測定を3戸で行った。アンケート結果からは、冬季、何らかの皮膚症状をもつ幼児の割合は、岐阜西濃地区で67.7%、東海4 県では69.3%であった。その中で最も多い症状は「皮膚が乾燥しやすい」で、岐阜西濃地区、東海4 県ともに半数以上の幼児に症状がみられていた。また、アレルギー様症状をもつ幼児の割合は岐阜西濃地区で45.6%、東海4 県で29.0%であった。保育所の実測結果からは、部屋使用時のみ暖房を使用する傾向がみられ、保育所間だけでなく、同施設内の保育室間でも温湿度環境に差異がみられることがわかった。また、換気による低湿度傾向の室がみられ、幼児の暴露環境も施設間で相違があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度初めに、予算削減の話が出たため、一部の研究方法を変更して実施した。特に、アンケート調査に遅れが出て、その分、解析が遅れている。また、居住住宅の調査依頼が思った以上に断られ、確保が困難であった。その他は順調に進み、成果も出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
冬季(3月頭)まで計測した保育所および住宅における温湿度データの分析や、ダニアレルゲン量、真菌類との関連を検討する。また、東海4件におけるアンケート解析がまだ途中であるため、さらに進め、居住環境との関連を明らかにする。また、保育所においては、低湿度傾向の施設がみられたため、改善を試み、幼児の皮膚水分率の実測も行う予定である。これらにより、皮膚疾患の実態と予防対策法を明らかにしたい。なお、成果は随時、学協会において発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、成果発表やその旅費に使用。また、予防対策を実施するため、その必要機器や消耗品(温湿度センサ)などにあてる。
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