2011 Fiscal Year Research-status Report
地球温暖化下にある日本の住宅温熱環境におけるアダプティブモデルの提案
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23760560
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
中谷 岳史 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (80469585)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アダプティブモデル |
Research Abstract |
本研究では、日本において実態調査に基づく季節変動を考慮した空調設定温度の学術的知見を蓄積する観点から、岐阜県の住宅居住者を対象とした大規模な通年調査を行った。研究の初年度である平成23年度は、順調にデータを収集し、住宅30戸78名の被験者から年間室内温湿度データ及び主観申告(約21000申告)を得た。データ入力及び集計解析を進めた。その結果、空調方式毎に快適温度を算出し、自然通風時で22.7℃,エアコン使用時で27.1℃,暖房時で19.1℃であった。またアダプティブモデル(外気温度と快適温度の線形関係)を空調方式毎に算出し、自然通風時で"快適温度=0.531×移動平均外気温+12.5"、エアコン使用時で"快適温度=0.297×移動平均外気温+18.8"、暖房時で"快適温度=0.307×移動平均外気温+16.5"であった。2007年にNicol&Humphreysが提案したアダプティブモデルと比較すると、夏期の傾向は一致したのに対し、冬季は本研究対象の快適温度が低い傾向が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では研究期間を2年で予定しており、研究初年度である平成23年度の目的は、住宅居住者を対象とした調査によるデータ収集と、アダプティブモデル(外気温度と快適温度の関係)の算出である。データ収集は順調に進捗し、予定通り終了した。またアダプティブモデルを算出し、快適温度は外気温度に応じて、大きく変動する傾向を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度である平成23年度は、順調に研究が進展し、研究課題であるアダプティブモデルの算出に至った。したがって研究最終年の平成24年度は知見を公開するため、日本建築学会の発表及び、海外文献誌の投稿(Journal Architectural Science Review)に向けて準備する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究最終年の平成24年度は、平成23年度で得た学術知見を公開するため、学会及び論文投稿の支出に重点配分する。具体的には、調査研究旅費及び成果発表費として30万円の支出を予定している。
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Research Products
(12 results)