2011 Fiscal Year Research-status Report
低炭素型都市づくりに向けた地産地消の持続可能性に関する研究
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23760564
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
郭 東潤 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10375610)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 地産地消 / 低炭素社会 / 地域再生 / 公共空間 / 賑わい / 市場 / 空間デザイン / 可視化 |
Research Abstract |
近年、政府の「新成長戦略」や国土交通省の「成長戦略」において、低炭素社会の実現に向けた具体的な取組みが注目される中、「地産地消」は環境負荷低減ならびに地域産業の振興策の一つともいえる。また、その活動は生活空間の一部を利用し維持しており、地域再生や活性化を考えるうえで重要な手がかりを有している。本研究の目的は、生活に根ざした地産地消を対象に環境負荷低減の観点から基本構造を解明し理論化することである。また、従来建築・都市計画分野で、空間デザイン要素の対象とされてこなかった「地産地消」の概念を、デザイン可視化に焦点をあて、地産地消がつくり出すした空間の構造を体系化することである。 上記の問題意識に立ち、本年度はオランダ・アムステルダム市、韓国地方3都市、台湾・台北市、日本の千葉市と宮古島市を対象に次の2点を目的に進められた。●公共空間にかかわる都市計画の背景・状況などを明らかし、公共空間が生活空間やコミュニティ空間として機能する物的条件と、空間的な利用形態の分析し類型化を試みる。●公共空間と地産地消が融合できるデザイン的条件や運用ルールを抽出する。 その結果、次のような成果が得られた。(1)オランダ・アムステルダム市、台湾・台北市、日本・千葉市と宮古島市の市場調査を行い、公共空間に係る制度と運用実態を明らかにした。(2)千葉市内の朝市の調査を通して、地産地消が生み出す賑わいの実態と市民意識を明らかにした。 上述した一連の成果は、International Conference on Urban Planning And Sustainable Development 2011 (UPSD 2011)にて発表を行い、また2012年度日本建築学会学術講演梗概集(東海)にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はオランダ・アムステルダム市、韓国地方3都市、台湾・台北市、日本の千葉市と宮古島市を対象に、研究実施計画である「形態的分析による空間構造」と「デザイン可視化からみた地産地消の体系化」について調査を行った。この成果の市場はInternational Conference on Urban Planning And Sustainable Development 2011 (UPSD 2011)にて発表を行い、また2012年度日本建築学会学術講演梗概集(東海)に掲載予定であり、このことから本研究は順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は所期の成果をあげていることから、当面、現在の進み方を継続していきたい。一方で、外国の研究協力者との充分な議論を通して、調査地の空間利用や実態調査ができる調査方法を検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
費目別の使用を、以下のように計画している。●施設備品費:主にリサーチと国内外の空間利用実態調査のために、記録用デジタルビデオと地図・写真集を購入する。●消耗品費:現有するプリンタのトナーカートリッジ費用に使用する。●旅費:海外研究事例の実態調査及び研究成果発表の経費として使用する。●謝金等:海外調査において資料収集に係る経費と資料分析の研究補助費に使用する。●その他:研究資料の印刷費や得られた成果公表のための論文投稿料・別刷料として使用する。
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