2013 Fiscal Year Research-status Report
観光施策に基づく都市建設構想と都市基盤形成の近代的展開
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23760573
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 敬太 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565531)
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Keywords | 景観 / 都市計画 / 公園緑地 |
Research Abstract |
本年度の実績は以下の通りである。 ・昨年度から継続して、奈良「山辺の道」の形成過程に関する研究を進め、以下の論文を発表した。1)「近代における奈良・山辺の道の形成とその背景」(山口敬太: ランドスケープ研究(オンライン論文集), Vol.6, pp.25-32, 2013)、2)「奈良・山辺の道における景観保全の展開とその保全思想」(山口敬太,繁田いづみ,川﨑雅史: ランドスケープ研究(オンライン論文集), Vol.7, pp.1-8, 2014) これらの研究を通じて、奈良「山辺の道」における戦前および戦後の景観表象の形成過程、1960年代以降の景観保全施策の展開過程と、その背後にある景観保全思想を明らかにした。 ・神戸の河川沿緑地の形成過程ならびに、戦前の大阪の公園道路の計画思想に関する研究を行い、以下の論文を執筆・発表した。3)「神戸市河川沿緑地の形成とその構想の起源 -古宇田實の水害復興構想とその戦災復興への影響-」(山口敬太,西野康弘: 都市計画論文集(一般研究論文), Vol.49, No.1, 2014(2014年4月掲載予定))、4)「戦前期大阪における公園道路の計画思想:南大阪公園道路網と桃ヶ池公園道路を中心に」(八尾修司,山口敬太,川崎雅史,土木史研究 講演集Vol.33,pp.287-296,2013年) これらの研究を通じて、戦前の都市公園緑地計画の計画思想ならびに計画の実態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中には奈良「山辺の道」の形成過程に関する研究を遂行し、その成果は論文として発表した。また、新たに神戸の河川沿緑地の形成過程ならびに、戦前の大阪の公園道路の計画思想に関する研究を行い、これらの成果も論文として(後者は講演論文として)発表した。 なお、大津の都市形成に関する研究は現在進捗中であり、来年度に発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、大正・昭和初期の大津・琵琶湖沿岸における「遊覧都市」建設の構想と経緯を研究対象とし、その研究の進展に努める。具体的には、大正期から昭和初期の大津市における「遊覧都市」建設を対象として、その構想の具体的内容と、琵琶湖の湖岸逍遥道 路や史蹟名勝公園の建設、風致地区の指定を含む都市計画の審議・計画決定・建設の経緯について、都市計画滋賀地方委員会の審議録 や、滋賀県・大津市の行政史料、大津市会議事録等を用いて明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に必要な研究経費をすべて使用した結果,若干の余剰金が生じたため,次年度に持ち越すこととした. 平成26年度は最終年度にあたるため,主に研究成果発表に支出することを予定している.査読付論文の投稿料や,学会発表旅費等の使用が主であるが,関連する研究資料や文献の収集も継続して行う.
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