2011 Fiscal Year Research-status Report
東アジア都市における屋外商業密集地区の在り方に関する研究
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23760579
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
郭 維倫 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 学術協力研究員 (70598466)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 屋外商業空間 / 東アジア / 都市中心部 / 仮設空間 / 台湾 / 台北 / 台中 |
Research Abstract |
本研究は東アジア都市における屋外商業密集地区に焦点を当て、そこの在り方を模索している。この数年、都市環境は、有史以来前例のない、人間とその活動の集合体である。都市が発展し、変化するにつれて、人々は都市に引きつけられ、都市の空間は人々の日常生活の一部として重要な役割を果たすようになった。特に都心の街路は、商業や仕事の場であるだけでなく、本来人々のコミュニケーションや様々な社会活動が起きる場でもあった。都心地区には、商店街やデパートが立地するなど、人々を集めて賑やかにする雰囲気がある。人々はそこに都市の魅力を感じ取り、都市を楽しみ理解していくのである。そこで、本研究は郊外の大型ショッピングモールにおされ、伝統的な商業空間は客足が伸び悩んでいることに着目し、都心の伝統的な商業空間を復活させ再開発の役に立つ調査と再評価を目指す。特に、東アジアの都市環境において、屋台、露店などの路上販売、店が雑然としている屋外商業密集地区に研究の焦点をあてる。そこの空間的な側面と行動的な側面に注目し、各国の屋外商業密集地区を調査し分析することによって、これをもとに屋外商業密集地区を再評価し整理し、魅力ある都市構造を誘導することができることを目的として進めることとした。平成23年度、本研究では、台湾の台北市の師大夜市、通化と臨江夜市、景美夜市及び台中市の逢甲夜市、中華路夜市、精明一街等の東アジアの都市を対象に現地調査を実施し、それぞれの都市における仮設的な空間の構成要素で形成される「夜市」の場の立地条件や空間構成要素の特性、仮設的要素の立地と固定的店舗などの施設との関係を調査、考察し、その情報を整理した。また、今まで東アジアの都心商業区の研究内容が、国内学会、国際会議などに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23 年度の達成度については、まず過去の研究問題点、欧米の諸理論整理、研究焦点を探った。次に、海外の研究都市で調査を行って、特に東アジア典型的な屋外商業密集地区台湾を選定し、台北市と台中市で合計六つ研究対象地に調査を行った。また、今までの研究成果が「日本建築学会2011年大会」、「UIA2011 TOKYO: The 24th World Congress of Architecture」、「2011 IDA Congress Taipei Education Conference」に参加し、研究成果を発表及び研究関連資料収集を行った。発表会で議論の内容、学会に収集した資料は今後の研究に役に立った。ここまでの研究成果の達成度についてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)学会の発表を行う:本研究では、昨年度の研究成果を第一段階として、2012 年度日本建築学会の大会と2012 年EDRA43(The Environmental Design Research Association)で発表を予定している。大会発表のコメントや意見を参考にしながら、次年度の調査方法、研究分析などを修正する。また、本研究最後の研究成果を作成する際にも参考して用いる。2)海外調査-韓国のソウル:筆者は調査で、韓国に2回渡航した経験があるので、以前の経験によりソウルの単独調査が可能である。ソウルの研究対象地の選定方法は昨年度の台北と台中の研究対象地に類似した空間とする。本研究はここまで、巨視的に東アジアの海域(東シナ海、黄海、台湾海峡)の東側代表都市(福岡、台北、台中、ソウル)を調査し、東アジア都市の屋外商業密集の在り方の問題点を明らかにする。3) 国内研究対象都市-福岡:国内研究都市で再調査を行う。これらの研究問題点、研究焦点を検証するため、福岡市の典型的な屋外商業密集地区を選定し、フィールドワークする。主に、研究対象地で、空間配置の変化、人々の行動を記録する。また、調査のデータ、方法も検討しながら、次年度研究対象都市の中のフィールドの選定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、東アジアの都市環境において、東アジアの都市の屋外商業密集地区に研究の焦点をあてる。24年度目的達成のため、実際現地にフィールドワークしなければならないので、したがって、海外旅費が必要である。また、時間制限もあるので一つの都市には調査期間を5 日間と計画している。今の計画はソウルで5 日間と釜山5 日間合計10 日間である。さらに、現地の資料を提供し、またフィールドワークする時、協力者にも謝礼金が必要なので研究経費に予算として編入している。一方、研究成果が社会・国民に発信する方法については、研究成果を二段階として、平成24年度日本建築学会の大会で発表を予定しているので、国内旅費が必要である。また、2012 年EDRA43(The Environmental Design Research Association)で発表を予定しているので、海外旅費必要である。本研究の研究成果が国際社会・国内国民に連携する意味を持っている。さらに、来年度は欧米の理論と本研究のデータを再分析し、問題点を探り、ジャーナル雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)