2011 Fiscal Year Research-status Report
地域型NPOの活動領域間のつながりに着目した地域空間マネジメントの見える化
Project/Area Number |
23760583
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐久間 康富 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30367023)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 都市・地域計画 / まちづくり / 地域型NPO / 地域空間マネジメント / 指定管理者制度 |
Research Abstract |
本研究は、特定テーマを超えて地域空間の総合的課題を扱う地域型NPOの地域空間のマネジメントを「見える化」することで、縮減時代における地域空間マネジメントの新たな計画理論を構築することを目的としている。平成23年度は以下の2点を明らかにした。1.地域型NPO抽出の手がかりとして指定管理者制度に着目した。日本経済新聞社・日経産業消費研究所(2006):「自治体における指定管理者制度導入の実態」によって、地域型NPOの状況を確認、整理した結果、NPO法人による指定管理者438団体のうち、「まちづくりの推進を図る活動」分野は250団体、そのうち3大都市圏にあるのは84団体、活動範囲の全ての住民を対象としているのは28団体存在していることがわかった。それらの活動内容は6種類に分類されるが、地域型NPOとしては特にテーマを限らずまちづくり活動に取り組んでいる7団体が注目される。現在、先進事例調査の対象となりうるような地域型NPOの候補を検討している。2.地域型NPOの事例として、大阪府堺市東区を中心に活動するさかいHFFを対象に、関係者へのインタビュー調査を実施した。地域型NPOの活動領域の広がりと連携状況、ならびに広がりのプロセスを明らかにした。当初は現在の活動につながる連携は1件しか確認できなかったが、さかいHFFの前進となるとみおかHFFの発足(2000年)後には、とみおかHFFが中心となり住民組織、地縁・行政組織との間で連携が生まれていること、さかいHFFの発足(2005年)後には、住民組織が主体的となりさかいHFFが客体として支援する形態の連携が生まれ、主体・客体双方向の連携が生まれていることが確認できた。指定管理者制度を手がかりにした地域の連携形成の中心的存在となっていることがうかがえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助金の執行が遅れた影響が懸念されたが、先進事例調査、アンケート調査の設計とおおむね当初の計画通りに進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究目的である1)全国の地域型NPOの動向、2)インタビュー調査による地域型NPOの活動領域の広がりと連携状況を明らかにする。1)全国の地域型NPOの動向:これまでの知見をふまえて前年度から進めているアンケート調査の設計を行い、地域型NPOへのアンケート調査を実施する。分析にはアルバイトの協力を得る。また、前年度、地域型NPO抽出の参考とした文献は若干年数が経っているため、最新の資料がないかどうか継続して調査する。2)地域型NPOの活動領域の広がりと連携状況の把握:これまでの研究実績をふまえて2団体へのインタビュー調査を行う。インタビュー結果をもとにアンケート調査を改善するとともに、アンケート調査結果の仮説的結論を検証する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が約10千円生じてしまったが、研究計画の大きな変更があったわけではなく、おおむね順調に進展している。次年度計画についても、次年度使用額とあわせて当初の計画通り、先進事例調査の旅費交通費、インタビュー結果テープ起こし、アンケート結果入力・分析アルバイト謝金、アンケート郵送費等の支出を予定している。
|