2012 Fiscal Year Research-status Report
地域コミュニティにおける資産所有・管理・利用と当事者意識の関係
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23760585
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
小地沢 将之 仙台高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50550852)
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Keywords | 地域マネジメント / まちづくり協議会 / まちづくり基本条例 / 中心市街地 / 復興 / 市民参加 / 公共施設 / 地域担当職員 |
Research Abstract |
本研究は、住民自治の一翼を担う地域コミュニティにおいて住民主体の管理行為が十分に機能していない現状について、資産の所有・管理・利用の不整合が一因である可能性に着目し、地域住民の当事者意識が発揮されやすい所有・管理・利用のあり方を明らかにすることを目的に実施している。 2年目にあたる平成24年度は、平成23年度に引き続き、地域コミュニティにおける資産の所有等に対しての基本的な姿勢を明らかにするために、1.山形県酒田市における資産所有の実態調査、2.山形県遊佐町のまちづくりセンターの管理や利用の実態調査、3.シェアハウスにおける住空間の管理や利用の実態調査を行った。また、地域住民の当事者意識が発揮されやすい環境整備の実現に向け、4.まちづくり協議会による地域マネジメントの実態調査、5.共同管理空間や公共財に対する地域担当職員の把握状況の実態調査を実施した。 1.および2.は平成23年度から継続してデータ収集と分析を行っている。3.はコミュニティの形態の1つとして急成長しつつあるシェアハウスにおける住空間の管理や利用のあり方に着目し、同様の形態を持っている大学寮を対象とした調査を行った。分析結果は日本建築学会住宅系論文集に投稿し、すでに論文が掲載された。 4.は2.の研究対象地である山形県遊佐町のまちづくり協議会の活動状況の把握を行った。また、東日本大震災の被災地である宮城県亘理町においてもまちづくり協議会と町役場担当課へのヒアリングを行った。5.は地域担当職員制度を持つ山形県遊佐町において担当職員を対象とした実態調査を行い、分析を行っている途中にある。 また、昨年度実施した地域メディアを用いた当事者意識の発現の可能性を探る調査については日本デザイン学会春季大会で、地域住民の地域活動への参加活発度と意識の関係に関する調査については日本建築学会大会で、それぞれ口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.および2.については追加調査を要するが、全体のペースとしては概ね当初の計画通りである。 3.については査読付き論文として発表済みである。 4.および5.については、当初の計画通り平成24~25年度で分析を行うものであり、予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は補助事業期間の最終年度に当たるため、特に地域住民の当事者意識が発揮されやすい環境整備の実現に関する調査や分析を充実させ、地域コミュニティにおける適切な資産の所有・管理・利用のあり方を開発する。 具体的には、これまで実施してきた調査や分析を継続することを基本になる。いずれの調査・分析対象も、平成24年度までに協力関係が構築されており、特に2.4.5.の調査地である山形県遊佐町には全面的な調査協力を得ており、今後も滞りなく研究が進むものと見込んでいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は40万円余りの「次年度使用額」が生じたが、これは平成23年度の実施状況報告書で報告した原因によるものであり、平成24年度中に原因があるものではない。 平成25年度においては、分析環境の充実のために必要最小限の範囲で分析ソフトやPC等の購入を行う。また、当初計画に比べ、学会発表等の機会が増える見込みであるため、「次年度使用額」はこの費用にも充てる予定である。
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