2014 Fiscal Year Annual Research Report
郊外団地型マンションのミクストコミュニティ形成に向けた「団地経営」手法の開発
Project/Area Number |
23760593
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
小杉 学 東北工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30410856)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 団地型マンション / 団地再生 / ミクストコミュニティ / 団地経営 / 管理組合 / 集会所 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(最終年度)は、「子育てが楽しい団地」及び「集会所の段階的リノベーション」の可能性およびアクションリサーチを通じた手法検討を進めた。 西小中台団地におけるアクションリサーチを通して、既存集会所に対してリノベーション(既存建物の大規模改装と用途変更)を行うことは、構造的な制約が大きく、コミュニティ活動の拠点整備という位置づけや、今後の「子育てが楽しい団地」への寄与という点からみたときにメリットが少ないことが分かった。合意形成における住民意向を考えたときも、建替えの方が合理的である。ここで建替えを進めていく場合には、西小中台団地での経験も踏まえると、「無関心層」、「集会所を必要としない層」に対するアプローチが極めて重要であり、そのためには団地の中期的なビジョン(将来像)を設定することが必要であることも分かった。団地再生の長期的な将来像が「棟別再生」、すなわち住棟の建替えやエレベータ設置改修などが行われるイメージとして描かれるとするならば、棟別再生が行われる前の段階である中期的な将来像は、子育て世代の転入が増えて住民の高齢化が抑制され、ミクストコミュニティが形成されている「子育てが楽しい団地」のイメージとして求められる。 集会所計画だけでは、集会所を必要としないひとには関心を持ってもらえない。しかしこのまま住民の高齢化を放置すれば最終的には住環境が悪化し資産価値も低下するという問題は、区分所有者全員にとって切実な問題である。このようにして、無関心層にアプローチしていくことになった。そのためには、高齢化が解消されているイメージとして「子育てが楽しい団地」という中期ビジョンを明確にし、その実現手段のひとつとして、集会所建替えを位置づけることの重要性が分かった。
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Research Products
(1 results)