2012 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の遊び環境における必要なリスクの抽出とそのあり方
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23760597
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 大輔 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50332028)
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Keywords | リスク / 幼児 |
Research Abstract |
▼概要:h24年度は、h23年度に実施した研究的知見を元に2つめの遊具製作に大半の時間を割いた。製作した遊具はご協力いただいた1園に1ヶ月程度設置し、延べ2日間の行動観察調査を実施した。今年度の補助金は遊具製作および実験遂行の物品費、学会参加費・会費、学会発表および先進的な遊具を有する保育園調査のため旅費に充てられた。なお、学会発表はこども環境学会大会にて成果の口頭発表を行った。 ▼製作遊具:h23年度制作した遊具と同様に、幼児自らの力で勢いや衝撃等を制御できる「登る」行為に着目して固定遊具を製作した。また、「登る行為に関わる多様な動作」にも着目し製作した。一辺350mmを基本とした立方体フレームを組み合わせ、縦2800mm×横1050mm×高さ2100mmで製作し、5つのユニットに異なる遊び要素を組み込んだ。 ▼実験・結果:許可が得られた年中・年長の2クラスの全園児を対象とし行動観察を行った。調査員3名が写真撮影および平面図への記録を行い、ビデオカメラ3台での定点記録も実施した。その結果、1)高さ1750mmのパイプでは年長児のみ、高さ1750mmのロープと周辺パイプは身体能力の高い幼児のみがぶら下がっていた。2)70度勾配の斜めの板材では周辺パイプに手足をかけながら降りる幼児が多く、高さ1400mmの位置にあるパイプにぶら下がってから手を離して滑る幼児も見られた。3)出入り口上部と前方のパイプを掴みながら降りる姿が見られたこと、4)狭い地点に横向きに着地するとバランスを崩す幼児が多いこと等について把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の遊具を制作し、ビデオデータの分析を進めてきた。その後、データをまとめ学会にて成果発表を実施した。以上の通り概ね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは動画をつぶさに観察しながら行為を抽出し分析を進めてきたが、より知見が一般化できるよう動画解析アプリケーションを用いて詳細に分析する予定である。分析遂行が円滑に進めば、幼児の行動予測についても踏み込みたいと考えている。また今年度動画解析アプリケーションを購入する予定であったが、適当なものが見つからず、h25年度に購入することとした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:動画の解析のため処理能力の高いPC、動画解析アプリケーション、追加実験のための遊具の部材 旅費:人間・環境学会大会、こども環境学会大会、日本建築学会大会、魅力的な遊具環境を有する園への見学・ヒアリング調査 謝金:実験先へのお礼 その他:関連学会年会費
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