2012 Fiscal Year Annual Research Report
市街地情報の不完全性を考慮した市街地火災による建築物の火災被害リスク評価
Project/Area Number |
23760600
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
岩見 達也 国土技術政策総合研究所, 総合技術政策研究センター, 主任研究官 (20370744)
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Keywords | 市街地火災シミュレーション / 計算速度 / 予測精度 / 開口部の対面性 / ステレオ撮影 |
Research Abstract |
本課題では、市街地火災シミュレーションを用いた精緻な予測を行う際の、①計算時間が長時間必要、②精緻な計算に耐える精度の高いデータの入手が困難、という大きな2つの課題に対応するため、計算時間を短縮するための新たな評価モデルの構築、並びに、データ精度と予測精度の関係分析及び予測精度を保つために必要なデータを比較的入手可能なデータに基づいて効率よく取得する手法の提案を行うこととしている。 新たな評価モデルの構築に関しては、遠方火源からの放射熱の影響を計算する際の、受熱点から見た放射源の見通し判定(他の建築物等の遮蔽物によって遠方の火炎が遮蔽されるかどうかの判定)における計算負荷が最も大きいことを考慮して、共通して必要となる前処理として各受熱点から見た遮蔽物の存在位置を計算する処理を既存の市街地火災シミュレーションプログラムに実装した。さらに、複数CPUコアによる並列計算処理ができるよう改良を施した。その結果、計算時間を大幅に短縮することに成功した。また、東京都を対象に、現状の市街地火災シミュレーションプログラムを用いた精緻な計算結果と改良したプログラムによる計算結果を比較し、計算精度に大きな影響が無いことを確認した。 効率的なデータ取得手法の提案に関しては、開口部の位置を恣意的に変動させた仮想市街地データを作成し、シミュレーションを実行することにより、開口部の対面性(受熱側開口部から加害側開口部を見るときの距離及び対面角度)によって延焼性状が大きく異なることを確認するとともに、市街地火災の危険性が比較的高いと想定される住宅地を対象として開口部の設置状況に関する実態調査を行い、実市街地における開口部位置に関するデータを収集した。また、市販の3次元ステレオ撮影が可能なデジタル写真画像を用いて隣棟間の相対的な開口部設置状況を簡易に取得する手法を提案し有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)