2012 Fiscal Year Annual Research Report
III族-遷移金属元素からなる新規熱電変換材料の創製と評価
Project/Area Number |
23760623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高際 良樹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (90549594)
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Keywords | 熱電変換 / 廃熱利用 / 狭バンドギャップ / 金属間化合物 / キャリアドープ / 熱電特性 / バンド計算 / 結合性評価 |
Research Abstract |
本研究課題は、実用化を視野に入れた新規熱電変換材料として有望な、半導体的電気特性を有するIII族(13)元素(Al,Ga,In)と遷移金属(Ru,Fe等)からなる金属間化合物を創製し、①p型及びn型材料の作製と②性能指数の向上、③物性の起源を原子間結合性の見地から、即ち、電子密度分布解析から明らかにすることである。 研究対象となる物質は、遷移金属とIII族元素の比が1:2のRuGa2と、1:3のRuGa3,FeGa3,RuIn3である。初年度は、相対密度95%以上の物性評価に資する材料作製方法の確立を行った。前年度に引き続き、本年度もこれらベース合金の到達しうる無次元熱電性能指数ZTmaxを緩和時間一定のもと、ボルツマン輸送方程式を用いて計算を行ったところ、目標の値であるZT=1.0を越える可能性を示すことを明らかにした。本年度は、特に、n型材料として高い特性を示す新規材料の創製に注力した。 理論計算の結果を受け、ノンドープで高いZTを示すRuGa2に関して、Ruを各種ドーパント(Co,Rh,Ir,Ni,Pd)で置換し、熱電特性に与える影響を詳細に検討した。実際に、電子ドープによりn型の材料の創製に成功し、その中でも、Ir-Ru置換で最も高いn型特性(ZT=0.31)を示した。ドーパントの種類により物性が異なる原因について、KKR-CPA法を用いた電子構造計算を行い、その起源を明らかにした。その他、RuIn3,FeGa3,RuGa3ベースの金属間化合物に対しても、キャリアドープを行い、p型・n型ともに性能向上に成功した。熱伝導率低減の為の、ナノ粒子作製を取り入れたプロセスの確立に成功し、熱伝導率の低減により、RuGa2においてZT=0.6を達成した。 物性の起源を探るための電子密度分布解析に関しては、現在解析が進行中であり、今後の課題としたい。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Structure, Chemical bonding, and Thermoelectric Properties of Narrow-bandgap Intermetallic Compounds TM(Al,Ga)2 and TM(Ga,In)3: Calculational and Experimental studies
Author(s)
Y. Takagiwa, K. Kitahara, Y. Matsubayashi, Y. Matsuura, K. Kato, M. Takata, and K. Kimura
Organizer
2012 MRS Fall meeting
Place of Presentation
Boston (United States)
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